2分でわかるアメリカ

2012/10/10中国大手が米をスパイ?


 アメリカ企業に通信機器の部品を販売している中国企業2社が「スパイ行為をしていた可能性がある」とする報告書が発表されました。アメリカ下院の情報特別委員会が1年間に及ぶ調査結果を8日までにまとめたものです。 

52ページからなる報告書は、華為技術もしくは中興通訊の部品を使用した通信機器が実際にスパイ行為をした証拠は含まれていませんが、アメリカの一部の企業が「奇妙な経験をした」としています。報告書は、アメリカ国民にスパイ行為を働くために使用される恐れがあると結論づけ、2社との取引を避けるよう勧めています。

具体的には、2社の製品もしくは部品を使ってサイバー攻撃をしかけたり、アメリカ企業や国民の情報を不法に入手する恐れがあるということです。2社は民間企業ですが、背後に中国政府がいることを示唆しています。

名前が挙がった華為技術は一般的には知られていませんが、通信業界で知らない人はいません。ネットワーク機器の世界第2位のメーカーで、アメリカでは去年13億ドルを売上げています。もうひとつの中興通訊のアメリカでの売上は3000万ドル程度です。

この問題は、週末に放送されたCBSの60ミニッツという報道番組で伝えられ、週明けに主要メディアが一斉に後追い取材をして大きくなりました。華為技術はスパイ行為を全面否定、調査に全面的に協力すると発表しています。

オバマ大統領はこのところ中国に厳しく強い姿勢を示しています。先月は、自動車部品メーカーに中国政府が違法な補助金を出しているとしてWTOに訴えました。今回の報告書により、米中間の緊張が一段と強まることは確実です。次回の大統領選挙の討論会のテーマは外交です。中東外交と並び中国との関係でオバマ大統領と共和党のロムニー候補の発言が注目されます。「強いアメリカ」を国民が望んでいることから、強硬な発言があるかもしれません。

でもスパイ行為が事実であれば、「怖い」ですね。

[October 09 2012] No 0105125

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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