2分でわかるアメリカ

2012/10/06米雇用統計は不完全データ


毎月最初の金曜日にアメリカ労働省が発表する雇用統計は、ウォール街だけでなく、世界のマーケットに影響することが少なくありません。

一昨日実施された第1回目の大統領選討論会では、共和党のロムニー候補が、高い失業率の責任はオバマ大統領の失政によるものだと批判しました。一方、先月開催されたFRBが金融政策を決めるFOMCでは、現行の超低金利をいつまで続けるかの目安として「失業率7%以下」という数字目標を設定してはどうかとの議論があったことが議事録で明らかになりました。

 アメリカの雇用統計は、政治でも金融政策でも、そしてマーケットでも最も重視される経済指標であることは間違いありません。きょう5日に発表された失業率は7.8%に低下、株式相場やドル相場が反応しました。 

しかし、この指標は「不完全」な指標であり、実体を反映していないという指摘が依然からありました。景気が一向に改善しない中、この指摘が脚光を浴びています。

フォックス・ニュースは、雇用統計の失業率は不完全であるため、労働参加率(The labor force participation rate)を使うべきだと主張しています。

U3と呼ばれる労働省が聞き取り調査してまとめる雇用統計は、失業した人が新たな職を探している人の割合です。いくら就職活動しても職が見つからず、職探しをあきらめた人は含まれません。U3に職探しを断念した人を加えると率は11%超に跳ね上がるとフォックスは指摘しています。

これに対し、労働参加率は労働人口の中で、職を持っている人と職探しをしている人の割合です。2008年には66.1%だった労働参加率は現在63.5%に低下しています。つまり、仕事をしていない人の割合が増えているのです。

現在の雇用統計はあまりにも幅広い分野で使用されているため、急に変えるのは難しいと思われます。雇用統計を補うため、労働参加率も同時に発表する方が実体を掴むのにいいかもしれません。

[OCTOBER 05, 2012] No 0222088

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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