2分でわかるアメリカ

2012/10/05現実を直視する


ある特定の法律やルールには「神経質」と言えるほど例外を認めない。その一方で「グレー」な法律があり「法の抜け道」のような状態が長年放置されているというのが、外国に暮らす僕の日本のイメージです。日本社会全体で「ガラパゴス」な部分が多いと思います。だから、外国人が日本を理解するのは難しいと思います。

「違法な状態」が事実上黙認されていることはアメリカでもあります。その最たるものが「不法移民」です。

例えば、ロサンゼルスには数多くの不法移民がいます。何十万とも100万人以上とも言われますが、「私は不法移民です」と正式に登録している人はいませんから、正確な数字は把握できていません。  

ただ、洗車場や引っ越しサービス、レストランの食器洗い、ベビーシッター、さらには農園の作業員のほとんどは「不法移民」だと言われています。いずれも生活には欠かせない役割で、ロサンゼルスというアメリカ第2位の都市は、「不法労働者なくして成り立たない」のが現実です。大半がメキシコ人もしくは周辺諸国の出身者ですが、日本人もいるとみられます。

不法移民の子どもに社会的なステータスを与える動きが進んでいます。オバマ大統領のイニシアティブ「若年不法移民救済策」のもと、2007年6月からアメリカに住み続けている30歳以下の不法移民に合法的な滞在と就労を認める政策が8月中旬からスタートしました。アメリカ国内に滞在していたことを証明する必要があるため、ロサンゼルス統一学校区には不法移民からの在籍記録のコピーの取り寄せが殺到しているそうです。学校区には20万人の対象者がいると推定されています。

カリフォルニア州のブラウン知事は、米国滞在が合法化された人を対象に運転免許証を来年1月から交付する法律に署名しました。曖昧な状態を放置するのではなく、「現実を直視した結果です。来年はじめは、運転免許証を申請する人が殺到しそうです。

[October 04 2012] No 0105122

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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