2分でわかるアメリカ

2012/10/03警察がみている


友人のバリーの自宅に以前、警察から少し厚めの封筒が届きました。びっくりして封を切ると、写真が4枚入っていました。ビバリーヒルズの交差点を一時停止せずに右折した証拠写真です。バリーの顔とクルマのナンバーがはっきり写っていました。バリーは、直ぐに日本円で5万円程度の罰金を払いました。

バリーの交通法規違反の証拠は、交差点に設置された監視カメラが撮影したものですが、もっと多くの写真データを警察が持っていることがウォール・ストリート・ジャーナルの調査取材で明らかになりました。

それによりますと、アメリカの警察の約3分の1はパトカーに特殊なカメラを搭載、走行中にすれ違った全てのクルマのナンバー・プレートのデータを全て保存しているということです。駐車中のクルマも同様です。つまり、警察は市民がどこに行ったか、どこにいるかを全て把握しているということです。  

具体例として、ロサンゼルスとサンディエゴの間にあるリバーサイド郡のサンディードロ市の全てのパトカーにはカメラが搭載されています。市内に住む男性が公開された情報にアクセスしたところ、男性が保有するクルマの写真が112枚もあったそうです。男性の小さい娘がクルマから降りる写真も1枚ありました。

この男性は犯罪者でも容疑者でもありません。警察は、カメラを搭載しているのは、容疑者や違反罰金を追跡するのが目的で、それ以外に使用することはないと主張しています。しかし、当然、「プライバシー」が問題になります。

旧ソビエト時代、KGBが市民の行動をすべて監視していたとされています。FBIなどの保安当局はKGBとは性格が異なりますが、テクノロジーにより同様のことをしていると批判される可能性があります。ウォール・ストリート・ジャーナルの記事は、多くのメディアに転載されていて、大きな議論を呼んでいます。

[October 02 2012] No 0105120

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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