2分でわかるアメリカ

2012/08/30デイ・トレーダーってまだいるの?


「デイ・トレーダーという言葉は日本では死語」と東京にいる知人から聞きました。アメリカではどうか。調べてみました。

「デイ・トレーダー」とは、短時間で何度も売買をすることで生活資金を稼ぐ人の総称です。証券会社や投資銀行の自己売買部門のトレーダーも含まれますが、一般的には自宅のパソコンなどで売買することを職業としている個人のことを言います。

 1990年代にチャールズ・シュワブが格安の株式売買手数料を提供したことで火がついたとされています。1999年の新聞記事を読むと、当時約500万人のデイ・トレーダーがいて、ナスダック市場の売買高の15%を占めるまでに膨れ上がりました。 

オール・テック・インベストメントやモメンタム証券など多くのデイ・トレーダー専門会社が全米にオフィスを開設。ニューヨーク株式市場が閉まる東部時間午後4時までの6時間半に、2000回も3000回も売買を繰り返すデイ・トレーダーは社会現象にまでなりました。

しかし、2000年の「ドットコムバブル」で状況が一変しました。右肩上がりだった株式相場がクラッシュ、デイ・トレーダーを「廃業」する人が相次ぎました。デイ・トレーダーに関する研究がいくつかあるのですが、「利益を出したデイ・トレーダーは10%」という結論が多いです。

現在はどうか。少数ながら存在するようです。当時と比べて圧倒的に数が少ないので情報も少ないのですが、オンライン証券会社の事務所で売買しているデイ・トレーダーが5000人前後。自宅で売買している人が約25万人程度いるとみられます。

ただ、1990年代のデイ・トレーダーといまのデイ・トレーダーはかなり違う種類の人たちです。多くの利益を狙うギャンブラーというよりもコツコツと利益を積み重ねていく人、「専業」とせず「兼業」にしている人、株式だけではなく商品や通貨など幅広い金融商品に分散投資している人たちです。

「デイ・トレーダー」または「デイ・トレーディング」という言葉は死語になっていませんが、2008年の金融危機も影響して下火になっていることは間違いないようです。

[AUG 29, 2012] No 0105096

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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