2分でわかるアメリカ

2012/08/214兆円が吹っ飛んだ


ウォール街はフェイスブック株の話題で持ちきりです。

一部の大口投資家のロックアップ、つまり一定期間売却が禁止される条項が解除されたことがきっかけとなり、フェイスブック株の下落が止まりません。5月の上場直後は1040億ドルあった時価総額はおよそ半分の500億ドルまで縮みました。500億ドルは日本円に換算すると約4兆円。わずか3カ月で4兆円が吹っ飛んだ計算です。

どこまで下げるのか。ニューヨーク・タイムズは、一般的な企業価値の計算方法では、フェイスブックの株価は10ドル弱になると指摘しています。

株価は、将来の利益を予想することによって適正価格が決まるとされています。アメリカの主要な企業の株価は、来年の1株あたり利益の13倍から14倍程度で取引されています。なぜ14倍なのかという疑問もあるのですが、マーケットの歴史から「妥当」だとされています。

ただし、これは伝統的な会社の場合です。急成長するIT関連のベンチャー企業の株式は、利益の何十倍もの価格で取引されることが少なくありません。例えばアマゾン・ドットコムの株式は現在、来年の1株利益予想の約100倍で取引されています。このところ利益が大幅に伸びていて、その勢いが今後も続くと投資家がみている証拠です。

一方、グーグルは全体の平均に近い来年の予想される1株利益の14倍で取引されています。これに対してフェイスブックは現在約32倍。これを14倍で計算すると9ドルになります。これは現在の株価の半分です。

ロサンゼルス・タイムズは、フェイスブックのマーク・ザッカーバーグCEOの経営者としての資質が疑問視されているとしています。会社を成長させるアイデアが不足し、株価対策も出来ていないと厳しい目でフェイスブック株の下げを伝えています。

 フェイスブック株は週明けのきょうも最安値を更新しました。フェイスブック株のロックアップ解除は来年の5月まで断続的に続きます。成長ストーリーを投資家が信じない限り株価の低迷はボラタイルになりそうです。 

[AUG 20, 2012] No 0105089

※当レポートは、情報提供を目的としたものであり、特定の商品の推奨あるいは特定の取引の勧誘を目的としたものではありません。

※当レポートに記載する相場見通しや売買戦略は、ファンダメンタルズ分析やテクニカル分析などを用いた執筆者個人の判断に基づくものであり、予告なく変更になる場合があります。また、相場の行方を保証するものではありません。お取引はご自身で判断いただきますようお願いいたします。

※当レポートのデータ情報等は信頼できると思われる各種情報源から入手したものですが、当社はその正確性・安全性等を保証するものではありません。

※相場の状況により、当社のレートとレポート内のレートが異なる場合があります。

NOTE

このレポートは、Market Editors が信頼に値すると判断した情報を基に作成されています。あくまでも情報提供が目的であり、その結果について責任を負うものではありません。投資に関しましては、投資家ご自身の判断に基づき決定してください。無断転載や引用を禁じます。

Market Editors
【データ提供】

PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

バックナンバー

  • 2019.04.23 更新不動産低迷、シドニー、ロンドン、ニューヨークオーストラリアの住宅価格の下落が顕著です。西端のパースはピークから18%下落。最大都市シドニーは14%ダウン。メルボルンの住宅価格は10%下げました。供給過剰、…
  • 2019.04.20 更新ビバリーヒルズ90210に住む、いくら必要アメリカ人の一部の間で「50/30/20ルール」という指針があるそうです。手取り収入の50%は必要経費。住宅ローンや家賃、食料品、ガソリンや公共料金、保険など生…
  • 2019.04.19 更新外為は通常で株は休場、わかりづらい祝日祝日は祝日。日本人なら誰でもそう思います。アメリカは違う。連邦政府が祝日に指定しているのに、地域によって休みにならないことがあります。逆に、連邦祝日ではないのに…
  • 2019.04.18 更新アメリカが報じない日米交渉日米両政府が15日と16日の2日間に渡ったワシントンでの閣僚級の貿易協議を終えました。農産物と自動車を含む物品貿易の議論を先行、データ貿易も交渉に含めることで一…
  • 2019.04.17 更新勝てるかも、米大統領候補の新星2016年11月の大統領選でトランプ大統領が大方の予想に反して勝利したのは、アメリカ人が「変化」を求めていたからではないか。個人的にそう思います。当時、民主党の…

「日刊2分でわかるアメリカ(2分でアメリカがわかる)」過去記事のタイトル一覧(月別)はこちら。

そのほかのマーケット情報

ページトップへ