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2012/08/16ソフトを駆使して残高偽造、20年も


アイオワ州の大陪審が今週、先物業者ペレグリン・フィナンシャル・グループの創業者で前CEOのラッセル・ワーセンドーフ氏を31の罪で訴追することを決めました。

シカゴ商品先物取引委員会に対し虚偽の報告をしたこと、顧客資産を不正に流用し2億ドル(約157億円)が行方不明になっていることなどの疑いが持たれています。

ペレグリンを巡る疑惑は先月から話題になっていたのですが、ここにきて衝撃的な背景が明らかになっています。

 地元のメディア報道によりますと、ワーセンドーフ氏は監督団体であるシカゴ商品先物取引委員会に定期的に提出する財務状況などを証明する銀行の残高証明を20年近く偽造し続けていました。ワードやエクセルPhotoshopなどのソフトを使って残高証明書を偽造、プリントアウトして提出していました。 

しかし、時代が変わり取引委員会は「紙」ではなく、偽造できないPDFなどの電子書類の提出を求めたことで事件が発覚しました。

事件が公になったことを受け、ワーセンドーフ氏は自殺を図りました。未遂に終わったのですが、その際に発見された遺書の中で不正行為を告白しています。「追加資金を得ることが出来ず廃業か虚偽かの選択を迫られたエゴが強かったため騙すことにした」と書いています。

罪状認否は17日にはじまりますが、有罪になれば最大で155年の禁固刑が科せられる可能性があります。

ペレグリン・フィナンシャル・グループは先月10日、連邦破産法7条に基づく会社精算手続きの適用を申請しました。「紙の報告書」では2億ドル以上の顧客資産を預かっていることになっていますが、実際は1000万ドルにも満たない残高しかない模様です。今年2月に発覚した日本のAIJ投資顧問の問題と類似性があります。

それにしても、シカゴ商品先物取引委員会と監視組織NFAが20年も虚偽を見逃していたのが不思議でたまりません。

[AUG 15, 2012] No 0105086

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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