2分でわかるアメリカ

2012/08/03オリンピックと豪ドルの関係


外国に住んでいるとオリンピックはあまり楽しめないのです。もちろんテレビでずっと放送しているのですが、日本選手がほとんど映らないからです。放送の対象が日本人ではないので当たり前なのですが。ブリュッセルに住んでいる時も、モスクワにいたときも、ニューヨークに駐在していた時も同じ思いをしました。

オリンピックの期間中は、世界中の人が「愛国主義者」になると言われます。そう。僕も日本選手の活躍を見たいのですが、ほとんど放送されないのです。開会式の中継では、「ジャパン」が映ったと思ったら2、3秒で次の国の入場行進にカットされました。特にチームUSAはほとんどの種目で強いので、放送権を持つNBCが日本人選手を映す理由がないのです。

ところで、株式市場では、オリンピックの年は強い選手のスポンサーをしているスポーツメーカーの株価が高くなる傾向があります。競技中や表彰台でのロゴの露出が多く、世界のトップ・アスリートのスポンサーになっているナイキやアディダスの売り上げは10%増えるとされています。業績の裏付けもあるのです。  

ベスポック・インベスト・グループによりますと、ナイキの場合、過去7回の夏のオリンピックの年は株価が平均で7.1%上昇しています。特にロサンゼルス大会があった1984年は19.1%も上がりました。例外は北京大会です。2008年に開催された北京大会は、テレビの視聴率は良かったのですが、株価は2.9%下がりました。これはベアスターンズやリーマン・ブラザーズが破たんした金融危機の年という特殊要因があったからだとみられます。

それでは、為替相場はどうか。ANZバンクが興味深いレポートを出しています。それによりますと、オーストラリアドルが安い年はオーストラリアの選手が大活躍するというものです。これは、通貨が高い年は、選手は外国で旅行を楽しんでしまうこと、政府の財政が緊縮気味になり選手を強化する予算がカットされるケースが多いからなどと分析しています。オーストラリアドルは、いま歴史的に高い水準にあるため、ロンドン・オリンピックではオーストラリアの選手が苦戦しているとのことです。

同じ法則を日本選手にあてはめると、円高なので苦戦するということでしょうか。それでも日本選手には活躍して欲しいです。こちらから、テレビを通じて応援は出来ませんが。

[AUG 02, 2012] No 0105077

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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