2分でわかるアメリカ

2012/08/02あっ!クリックしちゃった


ネットで買い物をする際、間違って2回クリックして注文を2度も出してしまったという経験はありませんか。また、注文を確認したメールが直ぐに返ってこないため、心配になった覚えはありませんか。僕はときどき後者を経験します。

同様のことが、ウォール街の大手投資銀行で起きました。

 フェイスブックが5月18日にナスダック市場に株式を上場した際、あまりにも多くの注文が殺到した影響もあり、システムに不具合が生じました。これにより注文が出せないなどの混乱が生じ、ナスダックOMXグループは証券会社などに6200万ドルの補償を行うことを発表しています。 

6200万ドルを日本円に換算すると50億円近く。補償額としては決して低くないと思われていたのですが、スイスの最大手金融機関UBSは、ナスダックを相手にもっと大きな補償を求めています。

UBSがきのう発表した第2四半期(4月から6月)の決算は、去年の同じ期と比べて純利益が半減しました。減益の半分の理由は、フェイスブックのIPOで被った損失だとしています。具体的な額は公表していないのですが、その額は3億6000万ドル(約280億円)だとみられています。

いったい何故、これだけ巨額の損失が出たのか。CNBCによりますと、取引がはじまる前にUBSが出した買い注文が成立したかどうかを確認(コンファメーション)するメールがナスダックから届かなかったため、ディーリング・ルームの担当者が何度も買い注文のボタンをクリックしてしまったということです。UBSは1000万株の買い注文を出したかったのですが、この混乱により4000万株も注文を出してしまったということです。

ナスダック側は「注文を出したのは人間でありミスだ」として反論していますが、UBSはナスダックのシステム・エラーが原因だとして損した3億6000万ドルを全額補償するよう求めています。

それにしても、コンファメーションのメールが来なかった時の担当者の心理を想像すると規模が大きいだけに心配というより「パニック」だったでしょうね。ネット時代のいま、この手のトラブルが増えそうです。

[AUG 01, 2012] No 0105076

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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