2分でわかるアメリカ

2012/07/31為替レートと国力


週末に客人が来たのでロサンゼルス空港に迎えに行きました。到着ロビーには中国人が大勢いて、ちょっと驚きました。団体客を迎える旅行代理店の人は星条旗と中国の国旗を持っていました。また、中国人の夫婦は、知り合いを迎えに来ていたようでした。

中国人の女性はコーチの鞄を持っていました。男性の方は、横ストライプが入ったラルフローレンのポロシャツとチノパン、長くて太いベルト、腕には大きな金色のロレックスの時計をしていました。男性を見ていて、何かぎこちないなあと思っていたら、クツがひも付きの黒い革グツだったことに気がつきました。

中国人男性を見ていて思い出しました。これって、30年前に見た田舎の近所のオッサンとそっくりだと。僕の田舎のオッサンは、株で大もうけしてハワイに行きました。たまたま、帰国直後に会ったのですが、全身ブランドで固めていました。着こなしが田舎なので、何かぎこちない。

客人が予定より少し遅れて到着、直ぐにラスベガスに出発しました。ベラジオというラスベガスでは高級とされるホテルに泊まったのですが、ロビーは中国人で溢れていました。ホテルの部屋のテレビには、中国のドラマやトークショーを流すチャンネルが3つもあります。また、中華料理のレストランが2件あります。いかに中国人が「お得意様」であるかがわかります。ベラジオは違いますが、ラスベガスの2件のカジノホテルは中国人所有です。

こうした光景は、サンフランシスコでもシカゴでもニューヨークでも見ることが出来ます。アメリカには中国人が押し寄せ、モノやサービスを買い漁っています。アメリカ経済は、中国人抜きでは成り立たないのではないかと思えるほどです。

アメリカ政府は、中国が人民元を不当に低くしていると2年前から主張しています。一方、日本の当局者は「円高が悪い」と主張しています。でも低い通貨の国から来た中国人には勢い」があります。30年前のオッサンにも勢いがありました。高すぎるとされる通貨を持つ日本人のアメリカでの存在感は沈下する一方です。為替レートは国力を示す、円が高いのは国力があるからなどと言う人がいますが、そう単純ではありません。

 もし人民元が高くなったら中国人はアメリカをさらに買うでしょう。そして円安が進んだら、日本企業の時価総額がさらに下がり、外国人投資家は「安いから買い増す」のではなく、「もっと下がりそうだから損切る」可能性が少なくありません。ドル換算で計算される日中のGDPの差は一段と拡大するのは確実です。 

[July 30, 2012] No 0105074

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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