2分でわかるアメリカ

2012/07/287度目の値上げ、でも


アメリカ人にとって飛行機は、日本人の電車やバスのようなもの。国土が広いため、移動の多くは飛行機を利用します。このため、飛行機の料金が上がることに敏感です。

「国内便がまた値上げされた」と主要なメディアが報じました。それによりますと、ユナイテッド航空は先週、片道あたり4ドルから10ドル値上げしました。そして、ジェットブルー、バージン・アメリカが続きました。過去3カ月間に一度も値上げしなかったサウスウエストも4ドルから10ドル値上げしました。

「カルテルか」と疑いたくなるほど足並みが揃った値上げですが、これは航空業界の慣習のようです。ユナイテッドなどのメジャーな航空会社や健全経営で知られるサウスウエストが値上げすると、他の航空会社も続くということが繰り返されてきました。デルタやアメリカンも最近値上げを発表しました。

ただ、高い料金設定がいつまで続くかは疑問です。USAトゥデイによりますと、航空会社は燃料費の高騰などを理由に去年1年で22回も値上げを試みました。しかし、実際に値上げされたのは9回だけ。しかも超小幅でした。

今年の値上げ発表は7度目です。過去6回のうち4回は空振りに終わっています。今回の値上げも短期に終わる可能性があります。

景気減速が鮮明で、飛行機の利用を控える人が多く、しかも1カ月後に飛行機利用の「オフシーズン」に入ります。アメリカでは学校の新年度から1ヶ月程度は閑散期とされています。今年は8月20日頃と例年より早く学校がはじまるため、早くも値下げの話が出ています。各航空会社は8月20日から国内便を10%から20%程度値下げする計画です。

直ぐに値下げするのに、なぜ今値上げするのか。儲けられるときに少しでも稼ぎたい、ということでしょうか。

アメリカの景気はここにきて足踏みをしています。今年後半に状況が大きく変わるとは思えません。原油価格も下がっていて「値上げの理由」も乏しいと言えます。飛行機の値段は当面、安値安定しそうです。

[July 27, 2012] No 0105073

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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