2分でわかるアメリカ

2012/07/13「そういう問題じゃない」


アメリカの有力な経済誌であるフォーチュンの最新号に掲載された2011年の企業売上高の上位500社に、中国の企業が73社入りました。日本企業の68社を抜いて初めて世界第2位となりました。トップはアメリカの132社でした。

トップ10には中国企業3社が入りました。日本企業は10位のトヨタだけです。フォーチュンの番付はドルに換算したもので、円高の日本と人民元が低めに誘導されているとされる中国を考えますと、日本と中国の差は番付以上に大きいことが想像できます。

さらに、この番付は「売上高」で比較したもので、「利益」で比較すると日本企業でトップ100に入る企業は無いのではないでしょうか。

ウォール街では、企業の第2四半期の決算発表のピークを迎えています。前の四半期と比べて弱めの企業が多く、また慎重な業績見通しが相次いで発表されています。ただ、中身を詳しくみると、飲食や小売などアナログ企業が過去最高水準の利益を出しています。

一方、日本の企業はどうでしょう。過去最高益どころか赤字企業が目立ちます。利益を出している企業も利益率はアメリカだけでなく、中国や韓国の企業と比べても異常に低い水準です。

 日本企業の利益がほとんどない背景には、日本特有の社会があります。固定費を下げたいのに「人を切れない社会」、経済的合理性より「人間関係を重視する社会」、さらに「外の意見を取り入れず、社内の意見調整で経営を進める社会」などです。 

現役を退いた経営者の本を読むと共通した見解があります。「もっと社外取締役を積極的に採用すべきだった」「経済的合理性を優先すべきだった」という反省点です。離れてみて初めて気付く問題点。ただ、その反省点は後任の経営者に引き継がれることはありません。

大手家電メーカーは「テレビ事業を立て直す」などと発表しています。これに関して、著名な元経営者は「そういう問題ではない」と苦笑していました。「会社全体の構造的な問題」「時代や世界から大きくはずれた経営判断」に引退した後気付いたのです。

[July 12, 2012] No 0105063

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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