2分でわかるアメリカ

2012/07/11芸能人のギャラは10分の1


先日、日本の芸能界を出てロサンゼルスに移った人とランチをしました。ドラマ、バラエティ、ステージと幅広く芸能活動をしてきた彼は「日本の芸能人のギャラはアメリカの10分の1」だったと言っていました。  

日本の芸能人のギャラは、放送局の編成局が決めています。例外はありますが、芸能歴などを考慮して新人は5000円、ベテランは10万円などと決まっています。テレビに出演した場合、編成管理部が芸能人の所属する事務所に支払います。事務所は、マネージャーやクルマ、スタイリストなどの固定費を負担しているため、手数料をたっぷりとって芸能人個人に後日振り込みます。

一方、アメリカの俳優は、SAG もしくは AFTRAという組合に所属していて、最低報酬が決まっています。さらに、年金や保険も組合から出ます。日本の事務所に相当するエージェントは10%の手数料を取るだけ、テレビ番組はシンジケーションという地方局や世界中の放送局に売れるので、制作会社は高いギャラを払っても元が取れる仕組みです。

こうした日米の違いを背景に、日本のテレビには、俳優兼歌手兼コメンテーターみたいな芸能人がいたりします。俳優と歌手とお笑い芸人の境界がほとんどありません。どのチャンネルを見ても同じお笑い芸人が出演しているのは「薄利多売」だからです。個人的には、「芸能人」がニュース番組のコメントをしているのに違和感を感じます。

話は変わりますが、日本のBS放送の昼の時間帯は、韓国ドラマとテレビショッピングで溢れています。韓国ドラマは、同じ人物が2度も記憶喪失や失明、もしくは恋人同士が実は兄弟だったなど、「あり得ない」設定が多いのですが面白い。日本だけではなく、アジア全域やラテンアメリカでも放送されています。話数が多いため、海外番販で、制作主体が潤っていることがわかります。日本も海外で販売することを前提にして番組をつくれば、芸能人のギャラもアップ、同じ芸能人がどこにも出演しているということが無くなるのではないかと思います。

[July 11, 2012] No 0105061

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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