2分でわかるアメリカ

2012/07/10「放射能大丈夫?」


週末は実家の福井で過ごしました。

福井県は、石川県寄りの嶺北地方と京都・滋賀に近い嶺南地方に分かれています。嶺北地方は北陸電力が電力を供給し、嶺南地方の電気は関西電力からきています。嶺南にある関西電力の大飯原子力発電所3号機が先週5日に再稼働、9日からフル稼働しています。4号機も再稼働する方向です。

大飯原発が再稼働した同じ日、福島第一原発について国会が設置した事故調査委員会が「事故は人災だった」とする報告書を衆参両院議長に提出しました。黒川委員長は「事故はまだ終わっていない」と語りました。福井では、大飯原発周辺の住人の経済的依存度が高いことが再稼働の決め手となったとみていますが、周辺住民の心境は複雑だと思います。

福島第一原発事故に関する事故調査委員会の641ページにわたる報告書は、日本語以外に内容が異なる外国向けの英文版が存在します。英文版は「事故の根本的な原因が日本人に染み付いた慣習や文化にある」と批判しています。さらに事故の背景に「権威を疑問視しない反射的な従順性集団主義閉鎖性などがある」としています。

 英文版をもとにフィナンシャル・タイムズは「福島の事故はメイド・イン・ジャパン」との見出しで大きく報じました。また、ワシントン・ポストは、福島第一原発事故が解決していないのに、「再び」原発による送電をはじめたと伝えました。 

「なぜ原発を再開するのか」とアメリカ人らは自然に思います。政府や電力会社の危機管理の不備が指摘されている中での再稼働に疑問視するのは当然です。こうした疑問を背景に、欧米メディアは原発反対派の意見を積極的に伝えています。その反面、日本の主要メディアは、反対派の意見に関する報道は少なめです。日本のメディアは「権威」が発信した情報を中心に報じる傾向が強いと思います。

放射能は大丈夫か」「食は安全か」。心配したアメリカ人の友人から連絡がありました。

[July 09, 2012] No 0105060

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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