2分でわかるアメリカ

2012/07/07壊れる日本「会社社会主義」


きのうに続いて、知人のアンディ家のパーティーで思ったことです。

友人であるアンディは弁護士、そして奥さんのハリエッタは音楽業界のビジネスパーソンで、経済的に恵まれた家庭です。

長男は、大学を卒業後に脚本家に弟子入り、テレビのコメディドラマの監督を目指しています。将来は不透明ですが、アンディ夫妻は「夢を持って前に進んでいる」と喜んでいます。名門ペンシルベニア大学を卒業したばかりの長女は、今度は大学の医学部に入り直し、医師を目指そうとしています。

アメリカでは、大学を卒業した学生が大きな会社に入るのは少数派。名門大学を卒業した人の多くが企業家を目指します。仮に大企業に入っても、転職でキャリアアップし最終的に独立する人が多いです。名の知れた大学に入り大企業に入社し安定を求める人はいません。30年前も雇用不安のいまも同じです。

入社もバラバラで、日本のような就職説明会や形式張った入社式はありません。また、1つの会社で何十年も働く人は聞いたことがありません。

アメリカから日本社会をみると「会社社会主義」と言う言葉が浮かびます。世の中が大企業中心に動いています。個人が何をできるかではなく、人の価値を所属している会社で判断する社会だと思います。プライベートの会話の中に「会社」という単語が何度も出てくるのは、全てが会社中心に動いているからです。

時代劇を見ていると、「会社社会主義」に通じるものを感じます。家族より忠義を重んじる。忠誠心があって良いと言う指摘もよく聞きます。確かにそうかもしれません。ただ、個の実力や才能が殺されている可能性があります。組織で動くため、結論に時間がかかりチャンスを逃してしまうケースもあると思います。

アップルやグーグル、フェイスブックのような会社は、いまの日本では育ちません。「会社」という組織ではなく個を活かせる社会、また、オールドエコノミーの会社よりベンチャー企業を応援する社会へのシフトが必要だと思います。  

[July 06, 2012] No 0105059

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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