2分でわかるアメリカ

2012/06/28なぜ原油相場が下がったのか


一時はガロンあたり5ドル近くまで上がったロサンゼルスのガソリン価格が4ドルを割りました。全米平均では3ドル台前半まで下がりました。アメリカではほとんどの学校が先週から休みに入った、つまり夏休みでクルマで出かける家庭が多く朗報です。個人的にはまだ高いと思いますが、少し助かっています。  

なぜガソリンが下がったのか。原油相場が下がったからです。それでは、なぜ原油相場が下落したのか。

ニューヨーク・マーカンタイル取引所で取引されるウェスト・テキサス・インターメディエイト、いわゆるWTIは、今年3月から約30%も下がっています。また国際的な原油価格のベンチマークになっているロンドン市場の北海ブレントも大幅に下がりました。(きょうは相場が上がっていますが)

背景には、需給関係があります。世界で生産される原油は一日あたり9110万バレル。ほぼ過去最大です。これに対し、世界の原油需要は8990万バレルですので、供給過多の状態にあります。また、主要な産油国で構成されるOPECの生産高も5月の一日あたり3150万バレルと通常より高くなっていますが、日量3000万バレルを維持することを最近決めました。

先週開かれたアメリカの金融政策を決めるFOMCはQE3を見送りました。これにより「カネ余り」が拡大せず、原油相場はさらに下がると複数の専門家がCNBCで話していました。

エジプトではイスラム原理主義者の大統領が誕生しましたし、イランの核開発を巡る緊張も続いています。中東情勢が一段と緊張、例えばイランと西側の関係がさらに悪化する事態に発展すれば再び原油相場が上がる可能性が指摘されています。ただ、当面は安い水準が続くとの見方が優勢です。

つまり、日常生活に欠かせないガソリンも安値で安定しそうです。日本でも下がっていますか。

原油安の背景には需給関係の他、ユーロ圏の債務危機の影響で景気が不透明になっていることがあります。ただ、ガソリンが下がったことで景気に良い影響が出る可能性もあります。

ところで、WTIが100ドルを超えていた去年、FRBのバーナンキ議長は繰り返し「原油相場はいずれ下がる」と何度も言いました。なぜ予想できたのか、個人的には興味があります。

[June 27, 2012] No 0105053

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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