2分でわかるアメリカ

2012/06/26報酬格差2万2800倍


アメリカ企業のトップの報酬は、日本やヨーロッパの企業の社長と比べて比較にならないほど高い場合があります。これに対し、アメリカの系列会社の店員の給与は日本とそれほど変わりません。「訴訟リスクが高いから」「CEOは巨額の利益をもたらすから」「厚遇しないと人材がとれないから」などがアメリカ企業のトップの報酬の高さを説明する理由に挙げられます。でも、トップと社員の格差が2万2800倍にもなると、いろいろ考えさせられます。

ニューヨーク・タイムズの「サンデー版」に非常に興味深い記事がありました。アップル・ストアの店員の報酬に関する記事です。

それによりますと、アップル・ストアの店員の年収は約2万5000ドル(約200万円)。3カ月間で75万ドル(約6000万円)相当のマック・コンピュータやiPadなどを販売したニューハンプシャー州のアップル・ストアの男性店員の時給は「11ドル25セント」だということです。アメリカの最低労働賃金の平均は7ドル25セントですので、これよりも大幅に高いのですが、「安すぎる」感じがしました。

アップル・ストアはどこも混んでいて、1坪あたりの売り上げ(アメリカでは1平方フィートあたりと言いますが)は上場企業断トツのトップです。2位はティファニーですが、売り上げはアップル・ストアの半分しかありません。アップル・ストアの世界の売り上げは年160億ドル(約1兆5200億円)に達します。

アップル商品を売りまくる店員の低賃金とは対照的に、アップル本社のティム・クックCEOは去年、給料やボーナス、ストック・オプションを加えて5億7000万ドル(約456億円)相当の報酬を受け取りました。アップル・ストアの店員の2万2800倍です。  

ニューヨーク・タイムズの記者が取材のため「店員の給料」を問い合わせたことが影響したのか、アップルは最近、店員の給料を引き上げることを決めました。それでも格差はまだまだ大き過ぎると思いますが。

[June 25, 2012] No 0105051

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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