2分でわかるアメリカ

2012/06/23日本のアニメもガラパゴス?


経済産業省は「クールジャパン(かっこいい日本)戦略」と称して日本のアニメなどのコンテンツの海外市場開拓を目指しているそうです。ただ、エンターテインメントの都ロサンゼルスからみると、日本のアニメの国際競争力はもはやありません。

1990年代から2000年代はじめまで「ポケモン」に代表される日本のアニメは欧米で大ヒットしました。しかし、2006年にピークを打った後、アメリカでの日本アニメはジリ貧状態が続いています。ケーブルテレビから日本の番組が消え、DVD販売は2006年から半減しました。日本のアニメ販売会社も相次いで撤退しました。

なぜか。いくつか理由があります。まず、アメリカではアニメは小学生向けのものですが、日本のアニメは中高生を対象にしたものが多く、性的描写が多くあることで放送局が避けています。また、宮崎アニメなど宗教的なバックグラウンドがないと理解できないモノが少なくないこともキリスト教がメインストリームのアメリカで受け入れられない理由のひとつです。テイストも合いません

さらに、コンテンツの視聴習慣が大きく変わったことも日本アニメ不振の背景にあります。アメリカ人はアニメなどのコンテンツをiPadやiPhoneで観ていて、テレビやDVDを見る子どもが少なくなっています。うちの娘はテレビをほとんど見なくなりました。

サンフランシスコを拠点にするモンドメディアは年に500本のショートアニメをYouTube内のチャンネルにアップロードし15億人の視聴者を獲得し注目されています。作品は自社制作ではなく、20の制作チームによるアニメ作品の放映権を1000ドルから1万ドルで買いYouTubeで放送しています。アニメを含めた日本のコンテンツは制作委員会方式という世界的に特殊な形態でつくられているため、権利が複雑でオンラインで放送するのに障害となっています。さらに、日本のアニメのほとんどは2Dですが、欧米のアニメーションは3Dが増えています。

 アップルやサムスンに負けた日本の家電と同様に、日本のアニメ産業は「ガラパゴス化」しています。権利などの仕組みを整え作品のテイストを欧米に合わせないと、永久に「ニッチ」から抜け出せないと考えます。 

[June 22, 2012] No 0105050

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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