2分でわかるアメリカ

2012/06/20マイクロソフトの大きな賭け


マイクロソフトが、自社ブランドのタブレット・コンピュータ「Surface(サーフェスと発音)」を発表しました。サイズや重さはアップルのiPadとほぼ同じ、プレゼンテーションもアップルを強く意識したものでした。  

マイクロソフトは先週木曜日、ジャーナリストなどにイベントへの招待状を送りました。イベントの内容の説明はなく、18日の午後3時半、ロサンゼルスとだけ書いてありました。アップルがiPhone4Sを発表した時と似たやり方です。

また、イベントの会場は当日の午前中に登録した招待客にメールで知らせるとする徹底した「秘密」。選んだ会場はハリウッドのミルクスタジオ。エンターテインメントもしくはプロフェッショナルなイメージを出したかったのかもしれません。

マイクロソフトのバルマーCEOは「新しいソフトウェアを一気に広めたいときにハードウェアを出す」と語り、タブレットの発売で今年後半に発売するウィンドウス8に勢いをつけたい考えです。かつて「マウス」は同じ目的で自社ブランドを発売しました。

ソフトの巨人マイクロソフトがハードの領域に入ったのはマウスを除くと過去に2回あります。ゲームの「Xボックス」と音楽プレーヤーの「ズーン」です。Xボックスはまあまあでしたが、ズーンは大失敗で既に販売を停止しています。

マイクロソフトが自社ブランドのタブレットを発売することは「大きな賭け」と言えます。デルやHP、レノボといった世界のPCメーカーにOSやオフィスなどのソフトを提供するビジネスモデルに影響するリスクがあるからです。Xボックスやズーンと異なり、タブレットはコンピュータそのもので、長年のパートナーと競合することになります。今後も確実に伸びるとみられるタブレットとスマートフォンの分野で、アップルとグーグルに何歩も先を越されたことへの「焦り」を感じます。

タブレット市場は、アップルのiPadやGoogleのアンドロイドを採用したサムスンの新コンセプトのコンピュータ、そして電子ブック寄りのキンドルの2つのカテゴリーがありますが、マイクロソフトのタブレットは従来型のノートブック・コンピュータに近いもと言えそうです。個人的には「チャレンジング」だと思います。

[June 19, 2012] No 0105047

※当レポートは、投資や運用等の助言を行うものではありません。また、お客様に特定の商品をお勧めするものでもありません。

※当レポートに記載する売買戦略はテクニカル指標その他を基に客観的に判断しているものであり、相場の行方を決定付けるものではありません。最終的な投資判断はご自身の意思判断によりお取引いただきますようお願いいたします。

※当レポートのデータ情報等は信頼できると思われる各種情報源から入手したものですが、当社はその正確性・安全性等を保証するものではありません。

※相場の状況により、当社のレートとレポート内のレートが異なる場合があります。

NOTE

このレポートは、Market Editors が信頼に値すると判断した情報を基に作成されています。あくまでも情報提供が目的であり、その結果について責任を負うものではありません。投資に関しましては、投資家ご自身の判断に基づき決定してください。無断転載や引用を禁じます。

Market Editors
【データ提供】

PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

バックナンバー

  • 2018.07.21 更新「ドクター・コッパー」示唆する危機※今週の相場がまるわかり『Weekly投資戦略ガイド』(17日更新)はこちら(マイページへログイン)国際商品市場で代表的な非鉄金属である銅相場の下げが止まりませ…
  • 2018.07.20 更新輸入車関税の方向決める1週間※今週の相場がまるわかり『Weekly投資戦略ガイド』(17日更新)はこちら(マイページへログイン)アメリカ商務省は、アメリカに輸入される自動車と自動車部品が安…
  • 2018.07.19 更新トランプ関税、今度はウラン?※今週の相場がまるわかり『Weekly投資戦略ガイド』(17日更新)はこちら(マイページへログイン)先月末から今週初めにかけて、北朝鮮が高濃縮ウランの生産を強化…
  • 2018.07.18 更新ゴールドマンの次期CEOはクラブDJ※今週の相場がまるわかり『Weekly投資戦略ガイド』(17日更新)はこちら(マイページへログイン)アメリカの金融機関大手ゴールドマン・サックスが17日、第2四…
  • 2018.07.17 更新遅刻の常習プーチン、擁護したトランプロシアのプーチン大統領は遅刻常習犯として知られています。日本の安倍首相、ドイツのメルケル首相、イギリスのエリザベス女王、ローマ法王をはじめ数多くの要人との会談に…

「日刊2分でわかるアメリカ(2分でアメリカがわかる)」過去記事のタイトル一覧(月別)はこちら。

そのほかのマーケット情報

ページトップへ