2分でわかるアメリカ

2012/06/09話題についていけない日本人


「ホームランド」という連続ドラマを毎晩1話ずつ妻と一緒に見ています。オンデマンドで見ているのですが、ショータイムという有料チャンネルでいまも放送中です。アルカイダに人質になったアメリカ兵とCIAのテロ対策チームのストーリーで、スピード感溢れる展開と時代にあった設定が面白く「はまって」しまいました。

ゴールデングローブ賞や脚本家や監督のギルド賞などを受賞した「ホームランド」は英語圏のイギリスやカナダ、オーストラリアのほか世界19カ国とラテンアメリカ全域で放送されています。でも、日本では放送されていません。「ホームランド」の前に僕がはまったHBOの「ゲーム・オブ・スローン」というドラマもそうでした。世界中の人が見ているのに日本人は見ることが出来ないのです。

なぜか。日本のバイヤーが放送権を買わないからです。アメリカのテレビシリーズは、ワーナーやディズニーなどの配給会社が、ほんのわずかなハリウッド製テレビ番組を地上波やケーブル局に売っていますが、他の国ほど売れていません。このため、メジャー以外の番組が日本で放送されることは稀です。「視聴率が稼げないから」とバイヤーが考えていることが理由です。むしろ、韓国ドラマを積極的に買い付けています。

映画も同様です。ハリウッドのメジャースタジオは、それぞれ年に30本程度の映画を劇場公開していますが、日本で公開されるのはごく一部。アメリカだけでなく、ヨーロッパでもアジアでもヒットした作品が日本だけ公開されないということも少なくありません。  

このため、外国の人が話題にしているテレビ番組や映画に「日本人だけついていけない」という状況が起こります。また、アメリカではドラマは放送された翌日からオンラインで視聴できますが、日本は業界の縛りや古い固定概念でほとんどの番組が視聴できません。新たなビジネスチャンスを逃していると思います。もっと言いますと、欧米のテレビ制作会社はハードディスクで記録するカメラを使っていますが、日本のテレビ局や制作会社はいまだにテープを使っています。

エンターテインメントだけではありません。日本に出張や旅行したアメリカ人から「日本人は特殊な携帯を使っていた」と言われたことがあります。日本でもスマートフォンの市場が広がりはじめましたが、アメリカもヨーロッパもずっと前から携帯電話はスマートフォンに変わっていました。ガラパゴスというべきか、「火星」というべきか、外国から見ると「日本は変な市場」です。「しがらみ」や「固定概念」を打ち破れるかが、日本復活の鍵だと感じます。

[June 08, 2012] No 0105040

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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