2分でわかるアメリカ

2012/06/07ユーロ圏危機が米経済に与える影響


世界の中で景気が最も安定していたアメリカ経済の雲行きが怪しくなってきました。特に好調だったアメリカの企業にユーロ圏の債務危機の影響が出始めています。

繋がりが強い銀行や投資銀行への影響はもちろんですが、景気回復のエンジンとされたシスコ・システムズやデル・コンピュータなどのハイテク企業各社が、決算発表の際にヨーロッパ市場での売り上げ減を指摘しています。復活しつつあるGMなどの自動車産業への影響も深刻です。

ニューヨーク・タイムズは、「S&P500に採用されている企業の売り上げの11%はヨーロッパとされるが、実際には第三国を経由しているものもあり15%程度あるとみられる」とするシティグループの株式ストラテジストのコメントを紹介しています。日本はアメリカ経済の影響が最も大きいと思いますが、アメリカにとってヨーロッパは影響が最も大きいと言えるかもしれません。

ニューヨーク・タイムズはまた、飲料や食料品メーカー、それに医薬品会社のヨーロッパでの売り上げは全体の22%にものぼるとしています。ただ、こちらの方は生活必需品で「景気に左右されない」ため、影響は限定的のようです。

オバマ大統領は「ヨーロッパの影響が暗い影になっている」として、先週金曜日に発表された雇用統計の責任がヨーロッパにあるとでも言いたそうです。歴史的に景気が悪い時は現役の大統領が選挙で負けるケースが多いため必死なのです。前日のG7財務相の電話会議が緊急に開催されたのは、オバマ政権のユーロ圏への懸念があることは間違いありません。

 ユーロ圏、特にスペインへの懸念が強く「スペインは第2のリーマンか」などとの議論もあります。著名な投資家であるジョージ・ソロス氏は、先週末の演説の中で「ユーロが存続できるかどうかは3カ月で決まる」と語ったそうです。夏の終わり頃まで、つまりアメリカの大統領選挙の直前まで、オバマ政権はユーロ圏の状況を注視していくことになりそうです。 

[June 06, 2012] No 0105038

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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