2分でわかるアメリカ

2012/06/06QE3はあるか


アメリカの5月の雇用統計は非常に弱く、きのう発表された製造業新規受注も予想に届きませんでした。今年前半には回復の兆しがあったのですが、ここにきて鈍化を示す経済指標が相次いでいます。こうした中、FRBによる追加的な国債買い入れ、いわゆるQE3が幅広く議論されるようになりました。  

「ガートマンレター」という投資家向けの情報で知られる投資家のデニス・ガートマン氏は「QE3は100%ある」と出演したCNBCで予想しました。ガートマン氏は、11月にある大統領選挙が近づくと「政治問題」になるため、選挙から出来るだけ遠い、つまり出来るだけ早い段階でQE3があるとみています。今月19日と20日に開催される次回のFOMC、もしくは7月31日と8月1日のFOMCで決めるとしています。

一方、RBCキャピタル・マーケッツのマイケル・クロハーティ氏は、60%の確率でQE3、20%の確率で「低金利を2014年末まで続ける」という表現をさらに緩和方向にする、そして10%の確率で現在実施しているオペレーション・ツイストを拡大するとバロンズをはじめ複数のメディアに語っています。

ロイターが15人のディーラーに聞き取り調査したところ、次のFOMCでオペレーション・ツイストの延長を決める確率が35%あるとの結果が出ました。また、QE3があるとの予想は50%あるそうです。ゴールドマン・サックスのリサーチ・チームは、FOMCで追加緩和を決める必要があるとしています。

QE3が実施されたらどうなるか。フォーブスは、「効果は限定的」としています。米10年債の利回りが歴史的な低水準にあり、ユーロ圏の債務危機や中国経済の減速への懸念が残るため、ほとんど効果がないのではないかとの見方です。

QE3の論議が高まれば高まるほどドル円の売り圧力が強まるのではないかとの見方があります。今後2週間ほど、QE3を巡る論議が一段と強まりそうです。

[June 05, 2012] No 0105037

※当レポートは、情報提供を目的としたものであり、特定の商品の推奨あるいは特定の取引の勧誘を目的としたものではありません。

※当レポートに記載する相場見通しや売買戦略は、ファンダメンタルズ分析やテクニカル分析などを用いた執筆者個人の判断に基づくものであり、予告なく変更になる場合があります。また、相場の行方を保証するものではありません。お取引はご自身で判断いただきますようお願いいたします。

※当レポートのデータ情報等は信頼できると思われる各種情報源から入手したものですが、当社はその正確性・安全性等を保証するものではありません。

※相場の状況により、当社のレートとレポート内のレートが異なる場合があります。

NOTE

このレポートは、Market Editors が信頼に値すると判断した情報を基に作成されています。あくまでも情報提供が目的であり、その結果について責任を負うものではありません。投資に関しましては、投資家ご自身の判断に基づき決定してください。無断転載や引用を禁じます。

Market Editors
【データ提供】

PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

バックナンバー

  • 2019.04.23 更新不動産低迷、シドニー、ロンドン、ニューヨークオーストラリアの住宅価格の下落が顕著です。西端のパースはピークから18%下落。最大都市シドニーは14%ダウン。メルボルンの住宅価格は10%下げました。供給過剰、…
  • 2019.04.20 更新ビバリーヒルズ90210に住む、いくら必要アメリカ人の一部の間で「50/30/20ルール」という指針があるそうです。手取り収入の50%は必要経費。住宅ローンや家賃、食料品、ガソリンや公共料金、保険など生…
  • 2019.04.19 更新外為は通常で株は休場、わかりづらい祝日祝日は祝日。日本人なら誰でもそう思います。アメリカは違う。連邦政府が祝日に指定しているのに、地域によって休みにならないことがあります。逆に、連邦祝日ではないのに…
  • 2019.04.18 更新アメリカが報じない日米交渉日米両政府が15日と16日の2日間に渡ったワシントンでの閣僚級の貿易協議を終えました。農産物と自動車を含む物品貿易の議論を先行、データ貿易も交渉に含めることで一…
  • 2019.04.17 更新勝てるかも、米大統領候補の新星2016年11月の大統領選でトランプ大統領が大方の予想に反して勝利したのは、アメリカ人が「変化」を求めていたからではないか。個人的にそう思います。当時、民主党の…

「日刊2分でわかるアメリカ(2分でアメリカがわかる)」過去記事のタイトル一覧(月別)はこちら。

そのほかのマーケット情報

ページトップへ