2分でわかるアメリカ

2012/05/18タイムシェア買ったけれど


タイムシェアってご存知ですか。リゾート地にある高級コンドミニアムの部屋を複数でシェア、年に1週間から10日程度無料で宿泊できる権利を得る、というものです。

アメリカには1548のタイムシェアのリゾート建物があります。1990年代以降から急速に拡大、64億ドルの産業に成長しました。最も多いのはフロリダで全体の23%を占めます。リッツカールトンやヒルトンなど大手ホテルチェーンが産業をけん引しました。

「タイムシェアの説明を1時間受けると高級リゾートに3泊まで無料で泊まれます」「お金も貸します」などのセールトークと、100%購入するより「大幅に安く感じる」ため、僕の知り合いでもタイムシェアを買った人が何人もいます。友人のジーンは、セールトークだけ聞いてハワイのリゾートを「タダ」で泊まることを楽しんでいるのですが、彼のような「ちゃっかり派」は少数派で、多くの人は「軽く決める」ようです。

ただ、買った後に「問題」が発生するケースが少なくありません。テクニカル的にはタイムシェアの権利を売却できるのですが、流動性がなく「極端に安くしないと売れないケースが多くあります。また、相当前から連絡しないと希望日に利用できないこと、年に2000ドル程度の維持費を払わなければならないことなどで後悔する人が後を絶ちません。

ハワイのカウアイ島にあるリゾートでは「水の事故」が発生、修繕費をめぐり争いが起き、裁判に発展しました。タイムシェアのオーナー1人当たり6000ドルの支払いを求められる可能性があるそうです。  

景気が「いまいち」パッとしない中、タイムシェアの権利を売りたいけど売れない人が急増。売却の仲介者とのトラブルも少なくありません。USAトゥデイによりますと、当局に寄せられた売却をめぐる苦情数は2009年に819件でしたが、2011年には5000件以上に増えました。当局は本格的な捜査に着手、逮捕者も出ています。

不動産業界にいる知人によりますと、ハワイには、日本人オーナーが80%を占める高級コンドミニアムのタイムシェアがあるそうです。アメリカで起こっているタイムシェアをめぐる騒動は対岸の火事でないかもしれません。

[May 17, 2012] No 0105025

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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