2分でわかるアメリカ

2012/05/17ザッカーバーグとフーディー


 ウォール街では、今週金曜日にナスダックで新規に株式公開(IPO)するFacebookに注目が集まっています。時価総額が日本円で10兆円近くになる可能性が高く「10年に一度の大型IPO」だからです。 

IPOを前にFacebookは先週、ニューヨークを皮切りにボストン、パロアルトで投資家説明会を開催しました。いわゆる「ロードショー」です。ロードショーでは、ファウンダーでCEOのマーク・ザッカーバーグ氏が「モバイルに重点を置く」とカジュアルながら熱く語りました。

ロードショーの後は通常、公開する企業の成長性がアナリストやメディアの間で語られるのですが、フェイスブックの場合は、マーク・ザッカーバーグ氏が着ているフーディー(Hoodie)に関心が集中しました。アメリカではフーディーというのですが、日本では「パーカー」と呼ばれるフードがついたスウェットのことです。

開催されたロードショーの内、パロアルトはシリコンバレーの真ん中にあり、投資家もカジュアルな服装が多かったのですが、最初のニューヨークは違いました。投資家は、ピンストライプのダークスーツにネクタイという、いわゆるウォール街の伝統的な服装で参加しました。これに対し、主役のザッカーバーグ氏は、トレードマークとなっている黒いフーディーとジーンズ、それにスニーカーで登壇しました。

「投資家に失礼だ」「ウォール街をなめている」などとザッカーバーグ氏の服装に一部批判もあったのですが、「ウォール街とシリコンバレーの文化の違い」「ジェネレーションの違い」あるいは「フェイスブックのスタイルを象徴している」などと好意的な見方が多く出ました。

詳しくはわかっていないのですが、ザッカーバーグ氏が着ているフーディーはカスタムメイドです。青いシルクの裏地には「2010年のFacebookの成長戦略」のダイアグラム(図)が描かれています。安そうに見えますが、もしかして投資家が着ていたスーツより高いかもしれません。

アップルの共同ファウンダーである故スティーブ・ジョブズ氏は晩年黒いタートルネックのセーターばかりを着ていました。ミヤケ・イッセイのカスタムメイドで、大量に発注したため、最後の何年かは、それを着続けたようです。「シンプル」にこだわった結果で、ジョブス氏のトレードマークになりました。

話は戻りますが、もしザッカーバーグ氏がロードショーにスーツで現れていたらどうなっていたか。ベビーフェイスのザッカーバーク氏は「高校生のよう」に見え、投資家は「頼りなさそう」と不安になったかもしれませんね。

[May 16, 2012] No 0105024

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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