2分でわかるアメリカ

2012/05/10ショールーミング対策


このところベストバイからプロモーションのメールが頻繁に来ます。ベストバイはアメリカで最大手の家電小売チェーンなのですが、オンラインで買えば「送料を無料にします」とか「10ドル値引きします」とかの売り込みです。でも、オンラインでさえベストバイで実際に買うことはほとんどありません。

 僕は家電を買う際は、ベストバイで商品を実際に手に取ってみて品定め、家に帰ってオンラインで一番安いサイトでオーダーします。こうした消費行動は「ショールーミング(Showrooming)」と呼ばれ一般化しています。クリックIQの調査では、オンラインで購入した人のおよそ半分が実店舗で商品を確認していました。 

アマゾンなどのオンライン専門店は、店舗を持たないため「Big Box Store」と呼ばれるベストバイのような従来型の小売店に比べてコストが低く、価格競争力があります。

ウィリアム・ブレアという調査会社の調べによりますと、アマゾンの価格はベストバイのオンライン店より11%安く、また、小売最大手のウォルマートが運営するオンライン店より9%安、別の小売大手であるターゲットのオンライン店と比べ14%安くなっています。

アマゾンはワシントン州に拠点があるので、カリフォルニアで購入した場合は消費税にあたるセールスタックスもかからないため、20%以上安く買えることが多くあります。

値段では対抗できませんし、実店舗があるため自社サイトでの値段は小幅しか下げられないというジレンマがある中、小売各社は生き残りをかけた「ショールーミング対策」に乗り出しました。何処でも買えないオリジナル商品を売り出したり、毎日「きょうの目玉」情報を送ったりしています。ウォルマートは、オンラインで買った商品を近くの店舗で受け取る場合、送料を無料にしています。店に足を運んでくれさえすれば、他の商品も買ってくれる確率が高いですから。

オンライン専門店の優位性は今後も継続、食料品など一部を除けば、ショールーミングのトレンドは今後も続くと見られます。「安いのが一番いい」からです。伝統的な小売を取り巻く環境は厳しいですが、競争原理が働くのは良いことだと思います。

[May 09, 2012] No 0105019

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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