2分でわかるアメリカ

2012/05/05「下品なキャンペーン」


さまざまな業種がある中で、航空業界ほど生き残りが大変な業界はないかもしれません。アメリカでは、主要な航空会社のほとんどは身売りしたか、会社更生法の適用を申請しました。価格競争が続く中で燃料費の高騰、各航空会社は生き残りに必死です。

生き残りをかけ、デルタ航空が石油精製所を買収すると発表しました。デルタ航空が燃料に使った経費は去年1年で117億ドル。全経費の3分の1を占めます。3億ドルで買収した精製所はニューヨークに近く、精製した石油はJFK空港などでの給油に使う計画です。

石油精製は複雑で、航空会社が運営できるのかとの批判もあるのですが、中間マージンを省き燃料費を可能な限り減らすための買収は新しい経営戦略として注目されます。

一方、ちょっと不謹慎なキャンペーンで世間を驚かせた航空会社もあります。格安航空のスピリット航空は、コロンビアのカルタギア行きの航空券を片道19ドル80セント(約1580円)で提供しました。

カルタギアは、オバマ大統領のシークレット・サービス11人が21人の高級売春婦を買ったスキャンダルで一躍有名になったコロンビア北部の都市です。期間限定ですが、CNBCは「考えられる最も下品なキャンペーン」だと伝えました。ただ、メディアが注目したことを考えますと、宣伝効果はあったようです。

南アフリカの格安航空会社クルラ航空のキャンペーンも話題を集めています。南アフリカのズマ大統領は先月、4人目の妻となる女性と結婚したのですが、これを記念してクルラ航空は「第4夫人の運賃を無料にするキャンペーン」をはじめました。最初の3人の奥さんと一緒に旅行することが条件だそうですが、このキャンペーンを利用できる人はどれだけいるのでしょうか。日本では江戸時代の殿様ぐらいですよね。

競争が激化し、とんでもないキャンペーンがこれからも増えそうです。

[May 04, 2012] No 0105016

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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