2分でわかるアメリカ

2012/05/04エナジードリンクがホット


12年前にニューヨークに赴任した際、秘書役の事務所のオバさんに最初に聞かれたことは「ソーダは何が好きか」でした。アメリカのオフィスではどこでも、コーラなどの炭酸飲料水をオフィスの冷蔵庫にストックしておく習慣がありました。それほど、アメリカ人が炭酸飲料を好きだということです。

ところが、健康ブームでダイエットを気にする人が増えたことで、アメリカの炭酸飲料の売り上げは伸び悩んでいます。コカコーラとペプシがシェアを奪い合う「コーラ戦争」がかつてありましたが、両者が競い合っている間に、コーラが昔ほど売れなくなり、その一方で新規参入の清涼飲料水が売り上げを大幅に伸ばしています。

コカコーラとペプシが今注目しているのは「エナジードリンク」です。日本の栄養ドリンクと少し似ています。日本では、オロナミンCやリポビタンDなど栄養ドリンクを飲む習慣が昔からありましたが、アメリカ人がこの手の飲み物を飲むようになったのは最近のことです。金融危機で「疲れている」からでしょうか。  

最も売れているのは「モンスター」で、アメリカのエナジードリンク市場の34.8%のシェアがあります。2位はオーストリアの「レッドブル」で29.5%、3位はシェア18.7%の「ロックスター」です。いずれもガラエキスや高麗人参、ビタミンB、そしてカフェインなどが含まれています。コーラなどのソーダ類と比べて値段は3倍近くするのですが、30%程度のペースで売り上げが伸びています

飲料業界世界最大手のコカコーラは、当然ですが「成長」を確保するため、エナジードリンクに目をつけています。ウォール・ストリート・ジャーナルは今週月曜日に「コカコーラがモンスターと買収交渉」と大きく報じました。しかも提示したとされる金額が110億ドルと超高額だったため、ウォール街が驚きました。ただ、報道の影響でモンスターの株価が急騰したため、交渉は暗礁に乗り上げ仕切り直しになったようです。ロックスターも大手の買収ターゲットになっているとの報道もあります。

エナジードリンクのブームで、日本のユンケルもアメリカ市場に参入したのですが、アメリカのスーパーで見かけることはありません。マーケティングの違いでしょうか。ちなみに、僕の妻はときどき日本のスーパーで「ユンケル」を買い、疲れたときに飲んでいます。

[May 03, 2012] No 0105015

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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