2分でわかるアメリカ

2012/04/18国籍を捨てるアメリカ人


きょう17日は、アメリカの確定申告の期限です。ということで、昨日に続いて、もうひとつ税金に関連する話題です。

「税金の義務でアメリカ人の国籍放棄が増加」と題する長編記事をロイターが配信しました。

それによりますと、アメリカの税当局であるIRSへ海外の銀行口座を含めて全ての所得を申告する義務を嫌って、去年1年間だけで1788人のアメリカ人がアメリカ国籍を放棄しました。過去最大だった2008年の8倍、2007年から2009年までの3年間に国籍を放棄した人数を上回っています。

 なぜか。アメリカが世界で唯一海外に居住する国民にすべての所得を毎年4月までにIRSに申告する義務があるためです。例えば、アメリカに住む日本人は、日本の国税局に所得を申告する義務はありませんし、アメリカの隣のカナダの人も外国で暮らしている場合はカナダの税当局に所得を申告する義務がありません。 

ロイターはユニークな実例を挙げてます。例えば、ヨーロッパの人と結婚しているアメリカ女性は、配偶者がヨーロッパに持つ銀行口座もIRSに報告する必要があります。配偶者は当然嫌がるので、女性は離婚か国籍を放棄するかを迫られ、結局後者にしたということです。

また、カナダ人の女性と結婚した二重国籍のアメリカ人男性は、海外からIRSに毎年申告するのがあまりにも複雑で面倒なため、アメリカ国籍を放棄したということです。

かつては、アメリカの税金が高いため、シンガポールなどのタックスヘイブンの国籍を取得、アメリカ国籍を放棄する富裕層が多かったのですが、金融危機以降、IRSが海外の資産を念入りにチェックするようになり、海外に住む一般のアメリカ人の国籍放棄が増えたのです。

世界で自由で豊かで強いアメリカの国籍は発展途上国の「憧れ」でもありますが、その一方でアメリカ人が国籍を相次いで放棄しているというのは、なんとも皮肉です。

[April 17, 2012] No 0105003

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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