2分でわかるアメリカ

2012/04/13アメリカの医療は世界最悪


子どもの春休みを利用して、北カリフォルニアのパロアルトに住むロシア系アメリカ人一家が遊びに来ました。お父さんのユーラは小児科の医師で、スタンフォード大学付属の病院から大手健康保険会社が経営する病院に転職しました。ロシアでも医療経験があるユーラは「アメリカの医療水準は世界最高でも医療制度は世界最悪だ」と語っていました。

どういうことかと言いますと、アメリカの医療が高すぎるため、病気の人でも治療をあきらめたり、処方薬を買控える人があまりにも多いとユーラが言っているのです。

ユーラが働く病院の親会社の健康保険会社がメンバーになっている国際ヘルスプラン連盟がまとめた最新の調査によりますと、アメリカの医療費が世界で断トツに高いことがわかります。  

それによりますと、患者が入院した場合の1日当たりのコストはアメリカの平均が3929ドル(約32万円)でオーストラリアの934ドルの4.2倍、物価が高いことで有名なスイスの655ドルの約6倍です。

入院して退院するまでの費用の平均は、アメリカが1万5734ドル(約129万円)で、2位のドイツの5004ドル、3位のスイスの4566ドルと比べ飛び抜けて高い結果が出ました。

調査には、CTスキャンやMRIなどの検査費、出産費用、そして薬代などの項目があるのですが、いずれもアメリカが先進国の中で高さが突出しています。

ユーラになぜ高いのかと尋ねると、「制度が悪いから」「保険会社がロビー活動をして既得権を放さないため」という答えが返ってきました。我が家のファミリードクターにも質問しましたが、ほぼ同じ答えが返ってきました。アメリカには世界の頭脳と富が集まるため、富裕層は世界最高の医療を受けられる一方で、99%の国民は高額のため調子が悪くても我慢してしまいます。オバマ大統領の最大の功績は国民皆保険につながるオバマケアと呼ばれる医療保険を改革したことです。しかし、「選択の自由」に反するとして改革は裁判沙汰になっています。

お金持ちには最高の国アメリカは、庶民が住みにくくなっています。

[April 12, 2012] No 0105001

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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