2分でわかるアメリカ

2012/03/31「ピンクスライム」が社会問題


近所のスーパーで牛肉のひき肉の値段が最近高くなりました。1ポンド(約450グラム)が7ドルほど、少し前までは4ドル程度でした。ガソリン価格が上昇しているからとも思ったのですが、理由は別にありました。

いまアメリカで、「ピンクスライム(Pink Slime)」が社会問題になっています。聞き慣れない言葉で、アメリカ人でさえ知らない人がいました。「ピンクスライム」とは、食肉用に処理された後に残った牛のクズ肉を水酸化アンモニウムで殺菌し加工したもで、ひき肉のつなぎ肉として、もしくは「ピンクスライム」がそのままパック売りされていました。

「ピンクスライム」は20年以上も製造されていて、アメリカ農務省も安全だと太鼓判を押していました。しかし、ここにきて「安全」に疑問符がつきはじめました。

まず、インターネットなどで「ピンクスライム」の安全への懸念が広がり、ネットワークのABCニュースが大きく取り上げたことで社会問題化しました。水酸化アンモニウムが大量にふりかけられる映像が視聴者に衝撃を与えました。

ABCニュースが放送された後、学校の給食で出されるハンバーガーに「ピンクスライム」が使用されていることが発覚、スーパーマーケットで売られているひき肉の17%に「ピンクスライム」が使用されていることがわかりました。  

「ピンクスライムは牛肉ではない」「ピンクスライムは安全ではない」などの批判が大きくなったことで、大手スーパー・チェーンは相次いでピンクスライムの販売を中止しました。マクドナルドなどの大手ファーストフード・チェーンは、既にアンモニアで殺菌された肉の使用を止めています。

エミー賞受賞のドキュメンタリー映画「フード・インク」は、ギュウギュウに押し込められた牛、豚、そして鶏が不衛生な環境で加工されている現場を描き衝撃を与えました。「ピンクスライム」が同様の環境で加工されていると考えると気分が悪くなります。

[March 30, 2012] No 0104992

※当レポートは、情報提供を目的としたものであり、特定の商品の推奨あるいは特定の取引の勧誘を目的としたものではありません。

※当レポートに記載する相場見通しや売買戦略は、ファンダメンタルズ分析やテクニカル分析などを用いた執筆者個人の判断に基づくものであり、予告なく変更になる場合があります。また、相場の行方を保証するものではありません。お取引はご自身で判断いただきますようお願いいたします。

※当レポートのデータ情報等は信頼できると思われる各種情報源から入手したものですが、当社はその正確性・安全性等を保証するものではありません。

※相場の状況により、当社のレートとレポート内のレートが異なる場合があります。

NOTE

このレポートは、Market Editors が信頼に値すると判断した情報を基に作成されています。あくまでも情報提供が目的であり、その結果について責任を負うものではありません。投資に関しましては、投資家ご自身の判断に基づき決定してください。無断転載や引用を禁じます。

Market Editors
【データ提供】

PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

バックナンバー

  • 2019.01.19 更新NY連銀総裁の警告不法移民を減らし、麻薬取引や人身売買などの犯罪を撲滅するためメキシコとの国境にスティール製の壁を建設するとのトランプ大統領の公約。国境警備の強化には賛成するもの…
  • 2019.01.18 更新ウォール街、株強気派増える17日のニューヨーク株式マーケットでは、モルガンスタンレーの決算が予想を下回ったことなどが影響し売りが先行しました。ただ、下げ幅は限定的。後半の取引で上昇に転じ…
  • 2019.01.17 更新メイ首相続投、5つのシナリオメイ首相が提示したEU離脱協定案の賛否を問うイギリス議会下院の投票が15日夜実施され、反対多数で否決されました。メイ首相が率いる与党・保守党からはEU離脱派と残…
  • 2019.01.16 更新政府閉鎖のネガティブ効果メキシコ国境の壁建設の予算をめぐるトランプ大統領と民主党の対立が続いています。解決に向かう兆候はまったくみられません。9つの省庁の予算が切れ、政府機関の約25%…
  • 2019.01.15 更新破たんした電力会社、どうなるカリフォルニアで起きた山火事をめぐり、一因をつくったとされる電力大手PG&Eが今月29日にチャプター11(日本の民事再生法に相当する連邦破産法第11条)の適用を…

「日刊2分でわかるアメリカ(2分でアメリカがわかる)」過去記事のタイトル一覧(月別)はこちら。

そのほかのマーケット情報

ページトップへ