2分でわかるアメリカ

2012/03/29「古くさい」を変えたい


日本で若者のクルマ離れが進んだと言われて久しいですが、アメリカでも同様の現象が出始めました。

アメリカでは16歳から自動車免許が取得できるのですが、この年齢に達した19歳以下のアメリカ人の内、免許を持っているのは46.3%でした。連邦高速道路局がまとめたものですが、1998年の調査では64.4%が免許を持っていましたので、大幅に減少したことになります。さらに、21歳から30歳までのドライバーの走行距離は1995年と比べて12%も減りました。

また別の調査では、1981年から2000年に生まれた人に「好きなブランド」を31の世界的なブランドの中から選んでもらったところ、トップ10に自動車のブランドは1つも入りませんでした。グーグルやナイキといったブランドは上位にランキングされました。

アメリカでは、ニューヨークのマンハッタンなど一部を除いてクルマは必需品です。全米第2の都市ロサンゼルスではクルマがないと生活が出来ません。このクルマ社会のアメリカで若者のクルマ離れが進んでいます。より正確にいいますと、クルマに興味がない若者が増えています。  

「まずはシボレー、いつかはキャデラック」というのが伝統的なアメリカ人のカーライフだったのですが、この戦略が通用しなくなりGMの経営者が頭を悩ませていました。そんなとき、ケーブルテレビのMTVがコンサルティング業をはじめたのを知りました。

昔はミュージック・クリップばかりだったのですが、いまのMTVはドラマあり、リアリティショーありで、高校生から30歳ぐらいまでに圧倒的に支持されています。このMTVが若い消費者に向けたマーケティングのアドバイスをするのがMTVスクラッチという部門です。GMはMTVスクラッチと契約し、古くさいやり方をいま風に転換しようとしています

MTVスクラッチのアドバイスを受けて、シボレーの一部のショールームは天井が高いカフェのように変身、壁は落書きだらけになりました。ショールームのセールスは押し売りをやめ、アップルショップの店員のように聞かれた時だけ製品の説明をするように変えました。ソーシャルメディアも積極的に活用するようになりました。

破たんから復活したGMにとって、シボレーは売上の7割を占める重要なブランドです。お堅いイメージがあったGMが変わりはじめています。

[March 28, 2012] No 0104990

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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