2分でわかるアメリカ

2012/03/21紙幣と硬貨が消える日


サンタモニカの商店街近くにある公共駐車場の出口で紙幣や硬貨による支払いが出来なくなりました。クレジットカードのみ。路上に設置してあるパーキング・メーターの一部ではまだ硬貨で支払えるものもありますが、ほとんどがクレジットカードのみ対応です。

アメリカでは、紙幣や硬貨を使う機会が大幅に減りました。たまに使うのは日本人が経営する「キャッシュオンリー」のラーメン屋ぐらい。妻の財布にはいつも2ドルぐらいしか現金が入っていませんし、僕も銀行で現金をおろすのは2カ月に一度程度です。日本と随分違うでしょ。

国際決済銀行によりますと、アメリカでGDPに占める現金経済の割合は7%です。一方、日本は14.4%と先進国中で断トツのトップです。いかに日本人が現金を多く使っているかがわかります。ちなみにユーロ圏は9%。債務危機のギリシャやイタリアでは、現金の使用率が高いのは「税逃れ」のためと見られています。

アメリカより「キャッシュレス化」が進んでいるのがスウェーデンです。スウェーデンの公共交通のほとんどは現金が使えません。APによりますと、スウェーデンの一部の銀行の支店には紙幣と硬貨を置いていないそうです。  

スウェーデンでは紙幣と硬貨の使用が減り続け、20年以内に無くなるとの見方があります。現金にかわる決済は、クレジットカードとスマートフォンになることは明らかです。電子マネーの分野ではスウェーデンの有力なベンチャー企業が多くあります。

レストランで友人数人が割り勘にするシーンで、スマートフォンで自分の口座から幹事者の口座に送金するテレビコマーシャルがあります。アメリカのJPモルガン・チェースの宣伝です。アメリカも、スウェーデン同様にキャッシュレス化が一段と進みそうです。

Edyなどの「電子マネー」は日本が先行しましたが、これもまた「ガラパゴス化」しています。日本以外で普及せず、世界は別の方向、別の方式が主流になりつつあります。「金融が弱い」と言われる日本が優勢だった分野でしたが、残念です。

[March 20, 2012] No 0104985

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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