2分でわかるアメリカ

2012/03/20「スプリング・フィーバー」3度目の正直?


ニューヨーク株式市場の動きを示す主要指数でダウが1万3000ポイントを回復、ナスダックが3000ポイント、そしてS&P500が1400ポイント台とそれぞれ節目の大台に乗せました。

背景には、アメリカ経済が回復に向かっていることがあります。企業の人員削減が少なくなったことで新規に失業保険を申請する人が減り、小売店の売上が増えています。ギリシャの債務再編に目処がつき無秩序な混乱はひとまず回避されました。

ガソリン価格の高騰が続いていて新たな懸念材料になっているのですが、いまのところインフレは落ち着いています。

半年前と比べて環境が大幅に改善され、投資家はリスクを取り始めています。その典型が株式です。安全とされる米国債を売って、リスクが高いとされる株式を買う投資家が増えていて、これが指数の大幅上昇に反映されています。「恐怖指数と呼ばれるVIXはサブプライムローン問題が表面化した2007年夏以来最も低い水準にあります。

 CNBCは、いまのウォール街を「スプリング・フィーバー」と呼んでいます。スプリングは「春」です。年初から環境が改善し、夏に向けて期待感が膨らんだことでウォール街が沸いているということです。 

実は「スプリング・フィーバーは3年連続です。去年も一昨年の春にも期待感や楽観論が広がり株式相場が押し上げられました。過去2回のフィーバーは一時的に終わりました。2年前はギリシャ危機、去年は東日本大震災というブラックスワンが発生した影響も大きいのですが、雇用統計などの経済指標が夏以降に悪化、株式相場も混乱しました。

「2度あることは3度ある」。スプリング・フィーバーにもかかわらず、エコノミストやストラテジストの多くは、「今回は本物」と自信を持てずにいます。「3度目の正直」になるかどうか、つまりアメリカ経済が持続的に回復に向かうかどうかは、これから2、3カ月の経済状況と世界経済にかかっています。

[March 19, 2012] No 0104984

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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