2分でわかるアメリカ

2012/03/08中国人買い占めで高騰


先物価格が高騰しています。外国為替や株式、商品など金融の話ではありません。ちょっとニッチですが、ワインの話です。

ちょうど1週間前の2月29日、米国東部時間の午後6時、西海岸の午後3時に、ロバート・パーカー主宰のワイン・アドボケイトが、2カ月に一度の情報をアップしました。パーカー氏の評価は、つける点数でワインの値段が決まると言われるほど影響力があります。

今回は、2009年と2010年のフランス・ボルドーとカリフォルニアのソノマ特集。特に、2009年のボルドーは、瓶詰め前のバレル試飲で高く評価されていたため注目されていました。

パーカー氏は今年1月に2週間ほどボルドーに滞在、主要なワインの一部を除き2回から4回、試飲しました。その上で、511銘柄の評価を100点方式で発表しました。結果は、1899年、1929年、1949年、1959年(末尾が全部9です)に匹敵、それ以上の過去最高のビンテージとして、パーカー氏は過去最高の19銘柄に100点満点をつけました。これは、評価が高い1982年や2000年より高い最高の評価でした。

パーカー氏が、バレル試飲時の評価から大幅に上方修正したため、僕は100点満点のワインをネットで買おうとしたのですが、残念ながら買えませんでした。なぜか。まず、値段が高すぎる。次に、情報がアップされた瞬間に、ワイン好きが殺到し完売していたのです。パーカー氏の会員制サイトはアクセスが集中し、繋がりにくくなりました。

どれくらい高いかと言いますと、例えば1級ワインのシャトー・ラトゥール(100点)は、1本当たり1540ドルから2323ドル。オーゾンヌ(98点+)は1本1481ドルから3600ドル。いずれも、日本円で軽く10万円を超えています。2級で人気が高いラ・ミッション・オーブリオン(100点)は778ドルから1262ドル。100点以下のワインも通常の2倍以上の価格がついています。レストランのワインリストに載る際は、通常はこれらの3倍から5倍の値段になります。明らかに異常水準です。

パーカー氏が高得点をつけたワインは数年後に何倍にもなるため、投資価値があるのですが、2009年ビンテージはインフレのため、将来の価格上昇は限定的だと思います。パーカー氏は、2009年の総括の中で、強欲が価格を引き上げマーケットをコントロール(Market manipulation)しているとした上で、特に中国人が記録的な価格を支払っているとしています。

人民元を低い水準にコントロールしている中国は、ワインの市場も歪(いびつ)にしています。「世紀のビンテージ」なのに残念です。僕は、パーカー氏が「掘り出しもの」として90点以上の高い評価をしている25ドル程度のボルドー2009年を買うことにしました。  

[March 07, 2012] No 0104976

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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