2分でわかるアメリカ

2012/02/29オスカーの値段


前日に続いてアカデミー賞に関係する話です。日本では、映画芸術科学アカデミーが選ぶ作品などを「アカデミー賞」と呼ばれますが、アメリカでは「オスカー」と呼ぶのが一般的です。例えば、授賞式後のパーティーも「オスカー・パーティー(Oscar Party)」と言います。

オスカーとは、受賞者に授けられる金色の像のことです。最初に像を作った人が、「オスカーという名前の叔父さんにそっくり」という理由で呼んだことが起源です。銀や銅、ニッケルなどで作られ最後に24金で塗装されます。


©A.M.P.A.S.® 

オスカー像は、高さが34センチ、土台の直径が13センチ、重さは3.8キロで、一般的な人が想像するより小さく、重いです。知人の一人が脚本を受賞したので、一度だけ実際に持ったことがあります。デザインやサイズは、昔からほとんど変わっていません。
 


では、オスカー像はいくらするのか。製造コストではなく、実際に売買されたら、いくらになるのかということです。実は、1950年以降のオスカー像については、受賞者やその家族が売却したい場合、まず映画芸術科学アカデミーに1ドルで売ることをオファーしなければならないルールになっています。華やかな授賞式の舞台裏で、受賞者が契約書に署名させられるのです。

しかし、1950年までの作品についてはこのルールは適用されません。当時のアカデミーの組織が未熟だったことが背景です。

サンタモニカの隣のブレントウッドという街にある会社が1950年以前のオスカー像をオークションにかけ話題を集めています。「市民ケーン(Citizen Kane)」や「わが谷は緑なりき(How Green was my Valley)」「嵐が丘(Wuthering Heights)」など1930年代と1940年代のオスカー像、合わせて15です。100万ドルを超えるものも少なくないと予想されています。

オスカー像を巡っては、故マイケル・ジャクソンが「風と共に去りぬ(Gone with the Wind)」のオスカー像を154万ドルで購入、当時は大きな話題になりました。オスカー像が「商品」として取引されることを、アカデミーは批判しているのですが、法律的には問題ありません。

オスカー像をオークションに出したのは、ロサンゼルスに住むビジネスマンです。「コレクションを売る機が熟した」というのが理由だそうです。景気が良くなり高く売れるからか、それとも季節的にオスカーが注目されるからかどうかわかりません。授賞式は終わっても「オスカー」を巡る話題は尽きません。

[February 28, 2012] No 0104970

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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