2分でわかるアメリカ

2010/04/29ゴールドマンの「SHITTY DEAL」


日本では年末になると今年の流行語大賞の発表が恒例ですが、アメリカではありません。もしアメリカにあるとしたら、今年の流行語大賞は「SHITTY DEAL」で決まりでしょう。

ゴールドマン・サックスの新旧幹部が証言した米上院の27日の公聴会は、CNNやCNBCなどのケーブル・ネットワークが中継し、全米が見た政治ショーでした。10時間43分と長丁場になった公聴会の後、「議論は平行線」とか「電子メールがゴールドマンに致命的」とか多くの意見が出ています。しかし、メディアやブログなどで最も大きく取り上げられたのは、委員長のレビン上院議員が隠語を連発したことです。

「SHITTY DEAL」は「クズ取引」などと訳されていますが、放送禁止用語の「ウ●コ」の方が、ニュアンスが近いと思います。レビン上院議員は、ゴールドマンの住宅ローン部門を率いていたスパークス氏への質問の中で「SHITTY DEALという隠語を11回も使いました

「社内メールにSHITTY DEALを売ったと書いてありますが?」

「どう答えていいか分かりません」

「SHITTY DEALをたくさん売ったのですね?」

「私はそういう言葉を使っていません」

「SHITTY DEALを優先的に売ったのですか?」

「値段によっては買いたいという投資家がいます」

このやり取りは、ユーチューブなどにアップロードされ議会の公聴会の動画としては異例のヒットになっています。

 かつてアメリカの首都がフィラデルフィアにあった頃、議会は2階建てでした。議員数が少ない元老院が2階部分を使っていたため、上の議員、つまり上院と言われるようになりました。各州に2人しかいないため、下院よりも尊敬されます。尊敬を集める上院議員が、公の場で隠語を連発したことは過去にありません。それほど議員がゴールドマンの行動に怒っているということでしょうか。 

 [April 28, 2010] No 010143

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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