2分でわかるアメリカ

2012/02/11124年の歴史を閉じる


経営破綻したイーストマン・コダックが、再生のため不採算のカメラ事業から撤退することを決めました。年間で1億ドル(約77億円)の経費をカットできるそうです。

ジョージ・コダックがニューヨークのロチェスターで初めてカメラを発表したのは1888年。実に124年前です。当時のキャッチコピーは「You press the button, We do the rest(あなたはシャッターを押すだけ、残りは私たちがやります)だったそうです。これ以来、コダックは世界を代表するカメラメーカーになりました。

ただ、コダックのカメラ事業は、日本のメーカーに市場を奪われ苦戦が続きました。デジタルカメラの時代になると経営はさらに悪化します。デジタルカメラの技術はコダックのエンジニアが開発したのですが、なんとも皮肉な結果です。  

IDCによりますと、アメリカ市場での2008年の出荷台数は670万台、シェアは16.5%で第4位。これが2011年には360万台まで落ち込み、シェアは11.6%でした。

データは2010年と少し古いのですが、同じIDCがまとめた世界のデジタルカメラのシェアは、キャノンが19%でトップ、ソニー、ニコン、サムスンと続き、コダックは7.4%で第5位。この後、パナソニック、オリンパス、富士フイルム、カシオ、ペンタックスと日本のメーカーが続きます。一眼レフに限ると、キャノンとニコンの独占です。最近発表されたニコンのD800やキャノンのG1Xをみると、競争力、優位性はまだまだあると思います。

日本のお家芸とまで言われたテレビやオーディオ製品、白物家電が競争力を失い世界シェアが大幅に低下するなか、デジタルカメラはビデオカメラと並び、日本のメーカーが市場をほぼ独占している数少ない分野です。ただ、サムスンが参入し、急速にシェアを伸ばしています。また、iPhoneに代表されるスマートフォンもデジタルカメラの領域に入ってきています。

コダックのカメラ撤退のニュースを、ウォール・ストリート・ジャーナルは「役割を終えた」との見出しで大きく報じました。世界のデジタルカメラをリードする日本メーカーの役割は大きいので、応援したいです。

[February 10, 2012] No 0104960

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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