2分でわかるアメリカ

2012/02/02ジワリ広がる日本国債への懸念


アメリカでも日本でも、もちろんヨーロッパでも、ここ数ヶ月の経済ニュースは、ユーロ圏の債務危機を巡る報道一色でした。問題が深く、かつ複雑であるため、当面、この傾向は続くものとみられます。当面の為替相場も株式相場もユーロ圏の行方が大きく影響することは確実とみられています。

ところが今年に入り、欧米の主要メディアで「日本の国債バブル」が報じられるようになりました。

いくつかの背景があります。S&Pとフィッチは、日本国債の格付けを見直していて、近く格下げする可能性があります。日本の公的債務は間もなく1000兆円を超える見通しで、債務のGDP比は200%以上、これはギリシャやポルトガルよりも高い数字です。そして、貿易収支が赤字に転落しました。

日本がデフォルト、つまり借金が返せなくなった場合の保険であるCDSの価格がこのところ上昇傾向にあります。3.11の大震災直後に記録した水準以来、つまり非常時の高さです。買っているのはヘッジファンドとみられます。去年の秋のギリシャのCDSの水準に近づいています。  

「日本の国債のほとんどは日本の機関投資家が保有しているから大丈夫」これまで何度も聞きました。しかし、最新の日銀の発表では、外国人は約75兆円相当の国債を保有、率にして8.2%に増えました。これは、リーマンショック前後に8.5%に一時的に達した以来の水準です。

フィナンシャル・タイムズは、日本国債の外国人保有率は今後上がり続ける可能性があると報じています。つまり、「日本人が持っているから」という理由は通用しなくなる可能性があります。ヘイマン・キャピタルの創業者カイル・バス氏は、「日本国債バブルは18カ月以内に崩壊する」と日経新聞に語っています。

CNBCは、「日本のパーティーは終わった」として、去年まで一人勝ちだった円相場のトレンドの転換が近いとストラテジストはみていると報じています。ウォール・ストリート・ジャーナルは、野田政権が掲げる消費税の増税が決まるかどうかをマーケットが注意深くみていると伝えています。

「来るかどうかではなく、いつ来るかの問題」との声が聞こえてきます。日本のXデーを巡る懸念が広がることは確実だとみられます。


[February 01, 2012] No 0104951

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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