2分でわかるアメリカ

2012/02/01バフェット氏が守る女性秘書


著名な投資家で大富豪のウォーレン・バフェット氏が怒っています。投資や個人のことではありません。バフェット氏に37年仕えた女性秘書、デビー・ボサネクさんが批判されているからです。

きっかけは、オバマ大統領が内政や外交の施政方針を発表する一般教書演説でした。先週火曜日に行われた一般教書演説の中で、オバマ大統領は「公平な経済」を強調、中間所得者層の減税と高額所得者層への増税を掲げました。

年収100万ドル(約7700万円)以上の高額所得者層に最低でも30%の税率を課すことは、バフェット氏の提案の一部を採用したものです。バフェット氏は「自分が納めている税率は秘書よりも低い」として、高額所得者層への増税を訴えています。

一般教書演説は上下両院合同会議で行われたのですが、2階の最上席にはミシェル大統領夫人のボックスがありました。このボックスに、バフェット氏の秘書デビーさんが座っていました。高額所得者への増税を応援するバフェット氏に配慮し、ホワイトハウスが演出したものです。

「バフェット氏よりも高い税率を納めている秘書」は、この日の主役になるはずでした。しかし、これが裏目に出ました。


一部のメディアが、「デビーさんの去年の年収は20万ドル(約1400万円)から50万ドル(約3800万円)」だと報じたのです。しかも、デビーさんは去年、別荘まで購入していました。アメリカの秘書の年収は高くても5万ドル(約380万円)程度。報道が本当だとすると、デビーさんは「アメリカでも最も高級な秘書」かもしれません。  

この報道にバフェット氏が切れました。「メディアは論点がずれている」として、激しく反論しました。デビーさんの報酬額はプライバシーの関係で公表されませんでしたが、「全く解っていない」とバフェット氏は激怒しています。

一連の騒動を受けてデビーさんは、アリゾナ州に14万4000ドルのセカンド・ハウスを購入したことを認めた上で、「アメリカの将来についてウォーレンの考えに同調します」という声明を発表しました。デビーさんもバフェット氏ではなく他の富豪の秘書であれば、メディアに登場することは無かったでしょうね。

[January 31, 2012] No 0104951

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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