2分でわかるアメリカ

2012/01/28どっちに転んでもゴールドマン


今年11月6日に実施されるアメリカの大統領選挙の共和党候補でリードするミット・ロムニー元マサチューセッツ州知事。他の候補者からの強い要求で、2010年の税申告書のコピー、つまり所得明細を公表しました。

富裕層が支払う税率の低さが問題視される中で、ロムニー氏がどのくらい税金を払ったのかが焦点でした。結果は、過去の投資の損益を相殺するなどして所得の15%以下しか税金を納めていないことが明らかになりました。ほとんどのメディアは、これを大きく報道したのですが、ロサンゼルス・タイムズの記者は申告書の別の箇所に注目しました。

それはウォール街の雄、ゴールドマン・サックスがロムニー家の背後にいることです。

ゴールドマン・サックスは、1000万ドル(約7億7000万円)以上を投資している富裕層にヘッジファンドと似た特別な投資活動もしくは配慮をしています。この選ばれた投資家の一人にミット・ロムニー氏がいたのです。

ゴールドマン・サックスは1999年に株式公開したのですが、「必ず利益が出る」とされたゴールドマン株が選ばれた投資家に公募価格で譲渡、ロムニー氏も7000株取得しました。ロムニー家の資産管理会社は、ゴールドマン株を2010年に売却、75万9000ドル(約5800万円)のキャピタル・ゲインを得ました。

ロムニー氏が共同で創業したプライベート・エクイティ会社の株式公開をサポートしたのもゴールドマン・サックスでした。さらに、大統領選の共和党候補者としてのロムニー氏に最も多くの寄付をしたのもゴールドマン・サックスです。

2008年の大統領選挙で、当時の民主党の候補者だったバラク・オバマ氏に最も多くの寄付をしたのはゴールドマン・サックスの社員グループでした。今回の大統領選挙は接戦が予想されていますが、どちらに転んでも背後にゴールドマン・サックスがいるということです。  

[January 27, 2012] No 0104949

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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