2分でわかるアメリカ

2012/01/27メイン・ストリートの巨額報酬


格差の是正を求める「ウォール街を占拠せよ」運動は、金融機関の巨額の報酬を批判しました。しかし、ウォール・ストリートに対して「メイン・ストリート」と呼ばれる金融以外の企業の報酬、特にトップの報酬も想像以上に巨額になっています。

USAトゥデイのアナリストがSECなどへの届け出資料を調査した結果、去年の報酬が5000万ドル(約39億円)以上だったCEOが多数いることがわかりました。

例えば、エンターテインメント大手のウォルト・ディズニーのロバート・アイガーCEOの去年の報酬は5200万ドル(約40.5億円)でした。内訳は、給与とボーナスで3140万ドルとストック・オプションが2140万ドル。

故スティーブ・ジョブズ氏からCEO職を引き継いだアップルのティム・クック氏の株式を含めた報酬は3億7800万ドル(約294億円)。通信機器大手のクアルコムのポール・ジェイコブスCEOは、5億600万ドル(約394億円)、小売大手のJCペニーのロン・ジョンソンCEOは株式を含めて5億1500万ドル(約401億円)の報酬を受け取りました。

「高い報酬を支払わないと優秀な経営者が雇えない」というのが、巨額報酬の理由とされていますが、会社と経営者が儲かっている反面、失業者やペイ・カットに苦しむ人が溢れている現状を考えますと「払い過ぎ」と批判されてもおかしくないと思います。  

金融危機以降のアメリカでは、中間所得者の多くが低所得者層に落ち格差が一段と拡大したとの指摘が多く聞こえてきます。オバマ大統領は今週の一般教書演説で、「公平な経済」を強調し、中間所得者の減税と富裕層の増税を掲げました。格差是正は、今年の大統領選挙の争点の1つですが、デジタル化で生産性が大幅に向上したため、選挙後もアメリカの大きな課題になることは間違いないと思います。

[January 26, 2012] No 0104948

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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