2分でわかるアメリカ

2010/04/24スーパースターの訴え


友人から僕の妻が、コロンビア出身の歌手シャキーラに似ていると言われたことがあります。妻はロシア人ですし、ニューヨークのタクシー運転手に僕が「あなたはジャッキー・チェンに似ている」と言われたのと同類と思い、直ぐに忘れました。

ところが去年、妻とレストランで食事をしている際、ウェイトレスから妻が「あなたはシャキーラですか?」と2度も聞かれました。妻に尋ねると「職場でいつも言われる」と言いました。シャキーラはラジオでよく聞いていたので知っていたのですが、顔は記憶にありませんでした。ネットで写真を確かめると、確かに妻はシャキーラそっくりでした。それ以来、僕はシャキーラのことを気にするようになりました。

インターネット新聞のハフィングトン・ポストを読んでいるとシャキーラのブログがありました。シャキーラは、大地震に見舞われたハイチを訪ねた体験を語り、ハイチの子供の救済への協力を訴えていました。シンプルな英語で語られていて、スペイン語が母国語の本人が書いていることは明らかです。ついでにシャキーラ関連の記事を調べていくと、その行動ぶりに感動しました。  

イギリスの経済紙エコノミストでは去年11月、シャキーラが雑誌冒頭で恵まれない子供を救済するため設立した基金について寄稿していました。今年2月には、シャキーラはホワイトハウスにオバマ大統領とバイデン副大統領を訪ね子供の教育問題を議論していました。名門のシンクタンク、ブルッキングス研究所にも協力していました。

シャキーラは8歳のとき、父が自己破産し、ロサンゼルスの近くの友人宅に母とともに渡りました。しばらくしてコロンビアに戻ると、家具がほとんどなくなり、カラーテレビが白黒テレビに変わっていました。大きなショックを受けるのですが、公園で遊んでいたホームレスの子供を見て、自分よりもっと恵まれない子供がいることを知ります。そのときシャキーラは、一生かけて恵まれない子供たちの救済に貢献すると心の中で誓ったそうです

シャキーラは「Hips Don’t Lie」などがビルボードでナンバーワンになるなどヒット曲に恵まれ、フォーブス誌のランキングで、マドンナ、バーブラ・ストライサンド、セリーヌ・ディオンに次ぐ音楽業界で4番目にリッチな女性になりました。富の多くを子供の救済に使っています。妻にそっくりなこともあり、これからもシャキーラの活躍を応援したいと思っています。

[April 23, 2010] No 010140

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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