2分でわかるアメリカ

2011/12/302012年、試練のジャパン3「外国メディアのすすめ」


「情報が溢れている」と良く言われます。確かに、新聞やテレビの伝統的なメディアにインターネットが加わって、情報は過去15年で飛躍的に増えました。ニュースのプロの情報源であるロイターや共同通信などの情報に、個人が簡単にアクセスできるようになったことは画期的だと思います。

ただ、日本人の大多数が日常アクセスしているのは、「日本語メディア」ではないでしょうか。英語が出来る人も「面倒くさい」として、あえて日本語のニュースしか読まない人が多いようです。  

楽天のファウンダー、三木谷氏は書き下ろした著書の中で、日本のメディアは「特ダネ」を重視するのに対し、欧米メディアはエディトリアルが主流だとしています。

僕は記者時代に、確かに同業他社より1秒でも早く伝えることばかり考えていました。内容は正確に簡潔にわかりやすく伝えれば良いと先輩に教えられました。日本の新聞は署名記事ではないので、誰が書いているかわかりません。しかし、欧米は署名記事が前提で、伝えているニュースの意味、そしてジャーナリストとしての視点で解説します。

もう1つ。日本のメディアと欧米メディアの捉え方が異なることが少なくありません。例えば、今年11月はじめにフランスで開かれたG20。ほとんどの日本のメディアは「欧州債務問題支援を宣言」との見出しで報じました。一方、欧米メディアは「欧州債務問題で合意失敗」と報じました。

記事をよく読むと、共同宣言では「支援する」と抽象的に書かれているのですが、具体的な内容がないことがわかります。しかし、見出しやタイトルを読んだ日本人は、「欧州支援で合意して良かったと間違った認識を持ったかもしれません。

なぜ、こういうことが起こるのか。日本の官邸を担当している記者が野田総理大臣に同行、日本政府のブリーフィングを情報源に書いているから、見出しは原稿を書いた記者ではなく整理部がつくる、フランス語や英語の壁があることなどが背景だと思います。

僕は、日本の新聞やテレビの記者の友人が多くいます。非常に勉強家で優秀な人たちです。ただ、組織を通すと少し変わるという気がしてなりません。なにかしらという方法で、外国メディアにも目を通すことをおすすめします。

[December 29, 2011] No 0104930

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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