2分でわかるアメリカ

2011/12/292012年、試練のジャパン2「0.99%の問題」


ロサンゼルスの知人がクリスマス前にテレビを買い替えました。ハイテクは苦手なので、ブローカーに購入と設置を依頼しました。ブローカーから「ソニーはやめた方がいい、サムスンがおすすめ」と言われたそうです。

50インチが799ドル(約6万2000円)。どのブランドも値段はほぼ同じ。でも、サムスンは売り切れでした。知人は、それが信じられなくてインターネットでサムスンを探したのですが、どのショップも在庫切れでした。知人は結局、パナソニックの50インチにしたそうです。かつては日本ブランドがテレビの王様でしたが、アメリカではサムスンがトップブランドで人気商品です。

僕の近所のトヨタ・ディーラー。アメリカで最もプリウスを売る店と宣伝しています。エコな人が多い場所柄、プリウスが飛ぶように売れました。定価より3000ドル程度のプレミアムを払うか、3カ月待ちというときもありました。しかし、いまウェブサイトを見ると2011年モデルのプリウスが10台もバーゲンセールしていました。アメリカでは2012年モデルが10月ぐらいから発売されましたが、2011年モデルが売れ残っていて在庫処分しています。

一方、ロサンゼルス郊外のトーランス。ここにはトヨタのアメリカ本社があるのですが、韓国のヒュンデ自動車のディーラーが今年オープンしました。店舗の前には、トヨタをはじめ日本車の中古車がずらりと並べられています。ヒュンデの新車を買った人が下取りに出したクルマです。アメリカのメディアは今年発表された日本車の一部を酷評しましたが、韓国の新車は性能、デザインとも高く評価しています。

日本のニュースをみていると政府も経済団体も「円高が悪い」と言っています。でも、アメリカにいると日本のクルマも家電も競争力が無くなった、トレンドからずれている、という印象を得ます。

なぜか。おそらく複合的な背景があるとみられます。過去の成功体験でプライドが高すぎること、業績が良かった数年前に設備投資を積極的にしなかったこと、時代を読み間違えたことなど。しかし、問題は日本人特有の「完璧主義」にあるという指摘を耳にします。  

日本メーカーは99.99%まで理想を求めるのに対し外国企業は99%まで。99.99%を求めるために、コストが高くなると同時に、消費者が必要としない機能が増える。結果として国際競争力が落ちる。規制も、日本政府が99.99%を求めるため、世界で一番厳しいルールになっています。これが今の日本を招いたと有力な財界人が話しています。0.99%を容認できるか、これがキーワードの1つかもしれません。

[December 27, 2011] No 0104929

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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