2分でわかるアメリカ

2011/12/21電子書籍と本の値段が同じになった


このコーナーで先月、アメリカの今年の年末商戦の目玉は、アップルのiPad2とアマゾンのキンドル・ファイアだとお伝えしました。クリスマス明けには、多くのアメリカ人がタブレット、そして電子書籍端末の新たなオーナーになります。

「電子書籍の値段と本の値段が変わらなくなっている」という記事が先日、ウォール・ストリート・ジャーナルに掲載されました。ちょっと信じられなかったので調べてみると本当でした。  

ベストセラーになっているケン・フォレット著「フォール・オブ・ジャイアンツ」という小説は、アマゾン・ドットコムでペイパーバック(日本の文庫に相当)が16ドル50セント、ハードカバーが21ドル80セントで売られていました。同じアマゾンで、電子書籍は18ドル99セント。ほとんどの人はペイパーバックを買うので、電子書籍の方が高くなります

アマゾンでは、電子書籍が本の売上げを去年の夏に上回りました。もちろん今は、電子書籍の売上げがさらに増えています。手軽にダウンロードして読めることもありますが、値段が安いことが電子書籍の売上げ増加の背景にあることは明らかです。しかし、ここにきて電子書籍の一部が大幅に値上がりしたのです。

背景にはアップルの故スティーブ・ジョブズ氏がいるとウォール・ストリート・ジャーナルは指摘しています。初代iPadの目玉の1つが電子書籍機能でしたが、ジョブズ氏は大幅なディスカウントで売上げを伸ばしていたアマゾンと価格競争をすることを嫌いました。

ジョブズ氏は、大手出版5社と交渉し、電子書籍の価格の設定を取り決めました。それまでは、電子書籍の価格を決めていたのはアマゾンなど、いわゆる卸売業者だったのですが、出版社が価格を設定するように変わりました。これにより、売れ筋の電子書籍と本の価格差がなくなりました。

スティーブ・ジョブズ氏は、ライフスタイルだけではなくビジネスの構造を変えたのです。

[December 20, 2011] No 0104924

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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