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2010/04/23ゴールドマン・サックスとワシントン


SECが、ゴールドマン・サックスを追訴してから一週間。このところ、ゴールドマン・サックスとホワイトハウス、それにキャピトル・ヒルつまり議会との深い関係が注目を集めています。

ゴールドマン・サックスは1869年、ドイツからの移民であるマーカス・ゴールドマンによって創設されました。1882年には義理の息子サミュエル・サックスが加わり、1885年から社名を現在のゴールドマン・サックスに変更しました。

マンハッタンの一部屋だけのオフィスでコマーシャル・ペーパーの引き受け事業をはじめ、企業の株式公開を引き受ける、いわゆるIPO事業で頭角を現します。1929年の大恐慌で大きな損害を被りますが、数年で経営を立て直します。1970年代以降、海外事業を強化、投資銀行やM&Aアドバイザーなど多角化を進めます。やがて政治の中枢であるワシントンにくい込んでいきます。

クリントン政権のルービン元財務長官は、ゴールドマンの元共同経営者、ブッシュ政権のポールソン元財務長官は、ゴールドマンの元CEOです。オバマ政権でも、商品先物取引委員会のゲイリー・ゲンスラー委員長らゴールドマン出身者や関係者が、高官のポストに就いています。ゴールドマン・サックスが政策に大きな影響力を持っているのは、ウォール街では誰もが知っています。


ホワイトハウスだけではなく、法律をつくる議会にもゴールドマンが深く関わっています。民主党への政治献金額は、1989年以降ゴールドマン・サックスが最大です。共和党への献金額では、第4位です。ゴールドマンは合計で3160万ドルを拠出しています。

今年11月に中間選挙を控え、アーカンソー州のリンカーン上院議員が「ゴールドマン・サックスからの献金を全額返却する」と発表しました。他の議員もリンカーンに続く動きを示しています。ただ、100万ドルの献金を受けたオバマ大統領は、返却しないそうです。
 
 
ゴールドマン・サックスが無罪か有罪かの判断が下るまでには、かなりの時間がかかりますが、ワシントンのゴールドマン離れは確実に広がっています。イギリスやドイツなども同様で、「政府関係機関のゴールドマンとの取引を停止すべき」との声が強まっています。今回の事件でウォール街の雄、ゴールドマンの経営が傾くとは思いませんが、ゴールドマンと政治の深い関係が見直されそうです。

[April 22, 2010] No 010139

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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