2分でわかるアメリカ

2011/12/08テレビとネット


 CBS、NBC、ABC、そして FOXをアメリカではネットワーク・テレビと呼びます。ケーブル専用局と区別され、強い影響力を持つとされています。日本でいうと地上波のキー局です。 

一昨日、ウィリアム・モーリス・エンドバー、通称WMEというハリウッドの大手エージェンシーの幹部と会ったのですが、「ネットワークの視聴者の中間年齢は49歳」と話していました。高齢化が進んでいて、インターネット、そしてスマートフォンやiPadの登場以降、その傾向が強まっているそうです。

ところで、僕の自宅は、ネットワークや主要なケーブルチャンネル以外に、日本のテレビ番組を放送するテレビジャパンとロシア人向けの有料チャンネルをオプションとして買っています。時間が許す限り、NHKとロシアのチャンネル・ワンのニュースも見るようにしています。ロシアのチャンネルで見ているのは「ブレーミア」という伝統的な夜のニュース。日本でいえばNHKの夜7時のニュースです。

先週末、ロシアで議会選挙が実施されましたが、選挙前の「ブレーミア」は、プーチン首相のニュース一色でした。選挙の直前に、与党しか取り上げないため、「明らかに不公平で公正な選挙とはいえない」と思うのと同時に「野党が予想に反して勝つのではないか」と考えていました。

結果はご存知の通り、プーチン首相が率いる与党「統一ロシア」が大幅に議席を減らし、過半数割れしました。テレビの主要ニュースがプーチン首相しか報道しなかったのに、選挙に勝てなかったのはなぜか。ロシア人に聞いてみると「YouTubeの影響が大きかった」との答えでした。プーチン首相が民主化を安定化させた功績は認めるものの、さらなる自由を求める有権者が「与党に投票しないようYouTubeで呼びかけた」結果だというのです。

アメリカ同様にテレビを見ている人の高齢化が進み、若い層はインターネットで情報を得ていたのかも知れません。インターネットが選挙に与えた影響が、国民的チャンネルを上回った可能性があります。いまモスクワなど各都市で、「不正投票があったとの告発が相次いでいますがこれもYouTubeやフェイスブック、ツイッターなどの新しいメディアが使われています

ロシアの大統領選挙は来年、アメリカでも大統領選挙が実施されます。インターネットを制した候補者が、米ロの大統領に選ばれると言っても過言ではないと思います。

[December 07, 2011] No 0104915

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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