2分でわかるアメリカ

2011/11/25567社の取締役につくケイマン人


北アメリカ大陸と南アメリカ大陸の間にあるケイマン諸島。グランドケイマン、ケイマンブラック、そしてリトルケイマンの3つの島から構成される英国領土ですが自治権を持っています。

スキューバダイビングの名所として有名なケイマンですが、タックスヘーブンとしても知られています。タックスヘーブンを使うのは金融業界などでは一般的なのですが、「節税」ではなく「脱税」ではないかとの批判が一部であることはご存知の通りです。  

税金がほとんどかからないため、世界中の金融機関の資産運用会社やファンドが籍を置くことで知られています。2兆ドルとも言われるヘッジファンドの約3分の2がケイマン籍とみられています。

このケイマンに籍を置く少数の個人が、多数のヘッジファンドの取締役を兼務しているとするフィナンシャル・タイムズの調査報道が話題を集めています。

それによりますと、少なくとも4人が100社以上の取締役を務め、14人は70社以上の取締役を兼務しています。いずれも1社につき3万ドル(約230万円)程度の役員報酬を受け取っているそうです。その内の1人は、なんと567社の会社の取締役として登録されていて、会社のほとんどはヘッジファンドです。

ヘッジファンドや資産運用会社の取締役は、投資家の資金の運用などに責任があるのですが、多数の取締役を兼務する個人は、単純に名前を貸しただけと見られます。金融危機以降に運用成績が悪化し投資家のクレームが増えていますが、ファンドの多くは追及が難しいケイマン籍の第三者を取締役にして、「本物」のファンドマネージャーなどを守ろうとしているとの見方もあります。

ケイマンの金融当局は、ヘッジファンドの「取締役代行業」に関する情報を公表していませんが、ケイマンの「代行業者」が急速に増えていることは間違いないようです。

Happy Thanksgiving!

[November 24, 2011] No 0104906

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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