2分でわかるアメリカ

2011/11/16Great Recession


10月の雇用統計では、失業率が0.1ポイント改善し9.0%でした。雇用動向を判断する上で重視される非農業部門の雇用者数も予想以上に増えました。これだけみると、アメリカの雇用が改善に向かっていると思えるのですが、実体は去年より悪くなっています。

 会社の都合などで職を失った人は、失業保険を受給する権利があります。全米平均で週300ドル(約2万3000円)の失業保険を約1年半受給できます。ただし、1年半たって仕事が見つからない場合は、失業保険の支給が打ち切られます。 

APによりますと、去年はじめの時点で全米の失業者の75%が失業保険を受け取っていました。しかし、いま失業保険を受け取っている失業者は49%しかいません

オバマ大統領も議会も、こうした状況を良く理解しています。しかし、与野党の対立を背景に、オバマ大統領が提案した雇用促進策が法律になる可能性は限りなくゼロです

議会はすでに、失業保険の給付期間を9回も延長していますが、再度延長するかどうかを年末までに決めることになります。ただ、仮に延長したにせよ、雇用市場が回復に向かう保証はありません。

国勢調査局は、失業保険の支給で貧困層入りを回避できている人が大勢いると分析しているのですが、今の状態が続くと貧困層の数が膨れ上がる可能性があります。貧困層とは、4人家族の場合で家族の年間収入の合計が2万2314ドル(約175万円)以下を指します。全米でフードスタンプという生活保護を受けている人は約4600万人。これは韓国の人口にほぼ匹敵します。

1929年以降を「大恐慌」(Great Depression )と呼ぶのに対し、現在の状況は「大景気後退」(Great Recession)と呼ばれています。

[November 15, 2011] No 0104899

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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