2分でわかるアメリカ

2011/10/28ダメなら切り捨てるアメリカのテレビ


日本の民放業界では、日本テレビとフジテレビが視聴率トップを競い、テレビ朝日が躍進、かつて報道とドラマが強かったTBSが苦戦するという構図が続いています。ただ、インターネットに費やす時間が増え、相対的にテレビの視聴率は低水準が続いています。

 アメリカのテレビ業界も同様です。主要なネットワーク・テレビ4社の内、メディア王マードック氏が率いるニューズ傘下のフォックス以外は、前年と比べても視聴率が大幅に低下しています。 

広告価値が最もあるとされる18歳から49歳の男女の視聴者数は、CBSが前年比で2.3%減少、ウォルト・ディズニー傘下のABCも5.8%減りました。そしてNBCに至っては16%も減りました。かつての視聴率王NBCは、人気番組だったコメディ「フレンズ」が2004年に放送を終えて以来、「万年4位」になっています。

視聴者数が減るということは、広告収入が減ることを意味します。このため、GEからNBCを買収したケーブル会社コムキャストは、頭を抱えています。

こうしたことを背景に、NBCの今年秋の新作の目玉だったドラマ「プレイボーイ・クラブはわずか放送3回でキャンセルされました。日本でも、ドラマの視聴率が期待ほど高くない場合、12話の予定を8〜10話にするケースがよくあるのですが、アメリカの場合は、直ぐに切ってしまいます。実は、60年代のシカゴのナイトクラブを舞台にした「プレイボーイ・クラブ」をシリーズで録画予約していたのですが、録画しないため調べてみると、そういうことでした。

ABCも70年台のヒットドラマ「チャーリーズ・エンジェル」のリメイクをキャンセルしました。2つの番組を含めて10月だけで、5つの番組がキャンセルされ、それぞれ昔のドラマを再放送しています。

ネットワーク各局は、ミッドシーズンと呼ばれる1月からのクール、そして来年秋の新シーズンを睨んで脚本を買い始めています。それにしても、ダメなら切り捨て次の戦略を考えるというのは、いかにもアメリカらしいですね。

[October 27, 2011] No 0104884

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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